看護必要度データだけでは分からない、質向上に欠かせないもう一つの重要な視点
2015.4.13.(月)
GHCは8月27日、看護師が記録した入院患者の状態を示す「重症度、医療・看護必要度データ(看護必要度データ)」を活用し、「看護の質」向上を目指す「看護必要度勉強会」を開催します。看護必要度データの有用性を訴え続けてきた同会ですが、今回は看護必要度データの研究に加えて、「看護の質」を向上させるために重要で欠かせないもう一つの視点に着目します。
看護必要度勉強会は、看護業務の見える化を行い、病院ごとに異なる看護業務の最適化を目指す勉強会です。具体的には、看護必要度データとDPCデータを用いて、看護の質に関するベンチマーク分析を実施。その上で、クリティカルパスやチーム医療体制の見直しなど、効果的な看護のあり方を探っていきます。
これまでは、看護必要度データを重要な視点としてきましたが、看護師でGHCコンサルタントの簗取萌は、「『看護の質』を向上するには、無駄な業務や生産性という観点でパフォーマンスをあげる視点も欠かせない」と指摘します。
簗取によると、看護師は1日に行う業務の中には、必要以上に時間をかけ過ぎてしまっているものもあれば、本当に必要な業務に時間をかけられないでいることもあると言います。例えば、「看護記録」や「看護サマリー」。申し送りのため、良かれと思ってたっぷりと時間をかけて詳細(すぎる)な報告をすることで、そこに時間を割かれて必要な業務に時間をかけられなかったり、拘束時間が長くなることで超過勤務の増大につながったり、さらには情報量が多すぎて伝えらない報告になってしまったりしていることもあると言います(関連記事『コンサルが伝授 看護記録の無駄・ムラ解消術』)。
看護師の業務量を調査したデータに着目することで、「看護必要度データやDPCデータからは見えない業務の問題点を把握し、さらなる看護スタッフの生産性向上に寄与する」(簗取)可能性があります。
今回は、8月28日(金)、29日(土)に開かれる第19回日本看護管理学会学術集会(ホームページはこちら)の前日に、福島県郡山市で開催予定です。「看護の質」向上に興味がある関係者の方は、ぜひ、ご参加ください。看護必要度勉強会の概要と申し込みページは以下の通りです。