病床再編「診療報酬で誘導を」諮問会議の民間議員ら提言―具体策に「7対1引き下げ」など
2015.4.17.(金)
政府の経済財政諮問会議が16日開かれ、サントリーホールディングスの新浪剛史代表取締役社長ら民間議員は、医療提供体制の改革を加速させるため、診療報酬による大胆な誘導を提言しました。具体策として、7対1入院基本料や加算の点数を引き下げて、15対1入院基本料との収益差を縮小することなどを挙げています。
提言は効率化を進める「インセンティブ改革」の一環で、民間議員は▽個人による努力▽保険者機能の強化▽医療提供体制の改革―などのレベルごとに具体策を挙げました。
安倍晋三首相はこの日の会合で、「効率的で質の高い公共サービスを実現するよう、国民、企業、自治体などの意識や行動の変化を促す仕組みの構築に向けて、さらに議論を進めていただきたい」などと促しました。
医療提供体制改革の提言は、高度急性期から一般急性期や回復期、慢性期から在宅医療・看護への移行を促して病床再編を加速させる内容です。具体策として、7対1入院基本料の要件厳格化に加えて、この点数や各種の加算を引き下げて15対1入院基本料などとの収益差を縮小するよう提案。さらに、DPCの適用拡大による医療サービスの標準化や、診療報酬の包括化の推進なども挙げました。
一方、個人レベルの具体策には、医療や介護費用の抑制を目指して、「健康ポイント制度」の拡充による健康増進の支援を提案。このほか保険者機能の強化策として、後期高齢者支援金の加算(減算)幅と後発医薬品の利用率をリンクさせる仕組みづくりを主張しました。
民間議員らは、歳出を効率化させるには国民一人一人や企業、自治体の意識や行動の変革を促す「インセンティブ改革」が必要だと指摘していて、官民連携による優良な事例を2020年度までに全国展開するよう主張しています。一連の改革の実効性を担保するため、第三者による評価や、エビデンス(根拠)に基づく徹底した「PDCA」の実施も求めました。