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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

骨粗鬆症治療薬イベニティ、学会基準参考に「骨折の危険性高い患者」を対象とせよ―厚労省

2019.9.19.(木)

 骨粗鬆症治療薬の「イベニティ皮下注05mgシリンジ」(一般名:ロモソズマブ)について、保険診療で使用する場合には、日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会の診断基準における重症度(▼骨密度値がマイナス2.5SD以下で1個以上の脆弱性骨折を有する▼腰椎骨密度がマイナス3.3SD未満▼既存椎体骨折の数が2個以上▼既存椎体骨折の半定量評価法結果がグレード3―)の記載などを参考に、「骨折の危険性の高い患者」を対象とすることが求められる―。

厚生労働省は9月13日に通知「イベニティ皮下注05mgシリンジの保険適用に係る留意事項の一部改正について」を発出し、こうした点について医療現場に注意喚起しました(厚労省のサイトはこちら)。

「使用上の注意」改訂を受け、保険診療上の留意事項も改訂

 骨粗鬆症治療薬の「イベニティ皮下注05mgシリンジ」(一般名:ロモソズマブ)については、9月6日付の厚労省通知「『使用上の注意』の改訂について」において、次のように「使用上の注意」を改訂することが製薬メーカーに指示されました(関連記事はこちら)。

▽新たな【警告】:海外における「アレンドロン酸ナトリウム」(骨粗鬆症治療剤)との比較試験で、本剤(ロモソズマブ)のほうが心血管系事象(虚血性心疾患または脳血管障害)の発現割合が高い傾向が認められている。また市販後、本剤との関連性は明確でないものの「重篤な心血管系事象を発現し死亡に至った」症例も報告されている。本剤投与にあたっては、▼骨折抑制のベネフィット▼心血管系事象の発現リスク―を十分に理解し、適用患者を選択する。また、本剤による治療中は、心血管系事象の発現がないか注意深く観察し、徴候や症状が認められた場合には速やかに医療機関を受診するよう指導する(従前の「効能・効果に関連する使用上の注意」から【警告】に移行)。

▽【効能・効果に関連する使用上の注意】:「日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会の診断基準における重症度(▼密度値がマイナス2.5SD以下で1個以上の脆弱性骨折を有する▼腰椎骨密度がマイナス3.3SD未満▼既存椎体骨折の数が2個以上▼既存椎体骨折の半定量評価法結果がグレード3―)等を参考に、骨折の危険性の高い患者を対象とする」旨を追記する

▽【重要な基本的注意】の項において、「虚血性心疾患または脳血管障害のリスクが高い患者への投与は、『本剤の骨折抑制のベネフィット』と『心血管系事象の発現リスク』を考慮して判断する。少なくとも過去1年以内の虚血性心疾患または脳血管障害の既往歴のある患者に対して本剤の投与は避ける」旨を追記し、内容を明確化する

 
 
 これを受け厚労省は、本剤を保険診療で使用する場合の留意事項についても改めることとしたものです。

従前は、本剤の適用にあたって▼低骨密度▼既存骨折▼加齢▼大腿骨頸部骨折の家族歴―などの「骨折の危険因子を有する患者を対象とする」こととされていましたが、これをより精緻化し、「日本骨代謝学会・日本骨粗鬆症学会の診断基準における以下の重症度に関する記載」などを参考に、「骨折の危険性の高い患者を対象とする」と改められました。

▽骨密度値がマイナス2.5SD以下で1個以上の脆弱性骨折を有する

▽腰椎骨密度がマイナス3.3SD未満

▽既存椎体骨折の数が2個以上

▽既存椎体骨折の半定量評価法結果がグレード3

 
 本剤を使用する病院においては、薬剤部から医師等に対しこうした情報を提供するなどし、患者選択を誤らないように留意することが必要です。

 
 
 

 

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