医療従事者の勤務環境改善に向け、都道府県が支援計画や支援拠点を整備
2015.4.24.(金)
厚生労働省は17日、都道府県などに宛てて2015年度の「医療従事者の勤務環境の改善に関する年次活動計画」を策定するよう依頼しました。計画には、▽14年度における医療勤務環境改善支援センターの設置状況や、医療勤務環境改善マネジメントシステムの周知・啓発状況など▽15年度における数値目標や、医療勤務環境改善支援センターの設置予定など―が記載されます。
「勤務医の負担が過剰になっている」との指摘がかねてからあり、最近の診療報酬改定でも「医師事務作業補助体制加算」を創設・拡大するなど、勤務医の負担軽減に向けた取り組みを行っています。
一方、昨年10月からは、医療介護総合確保推進法に基づいて、都道府県や医療機関に「医療従事者の勤務環境改善」に向けた努力義務が課せられています。
▽医療機関の管理者は「医療従事者の勤務環境改善の取り組み」に関する努力義務を負い、厚労相はそのための指針となるべき事項を定めなければならない
▽都道府県は「医療従事者の勤務環境改善に関する相談、情報提供、援助」などの支援を行う努力義務を負い、それらを実施するための拠点機能確保に努めなければならない
今回、後者の努力義務などの一環として、都道府県が15年度の「医療従事者の勤務環境の改善に関する年次活動計画」を定めるものです。
15年度計画には、▽医療従事者の定着・離職状況や勤務環境(都道府県が把握・認識しているもの)▽14年度の取り組み状況▽▽15年度の取り組み予定―を記載します。
「医療勤務環境改善支援センター」は、医療機関が行う「従事者の勤務環境改善に向けた取り組み」を支援する組織で、各都道府県に設置されます。センターには、医業経営コンサルタントや労務管理の専門家などが配置され、「医師・看護師などの医療従事者の確保」「離職防止」「チーム医療の推進」などに向けた具体的な支援を行います。15年3月6日現在、21都道府県が設置済みです。
さらに、都道府県の医師会や看護協会、病院団体、社会保険労務士会、医業経営コンサルタント協会、都道府県労働局などの参画を得た「医療勤務環境改善支援センター運営協議会」の設置も都道府県に求められています。
一方、「医療勤務環境改善マネジメントシステム」は、「医療従事者の働き方・休み方の改善」「働きやすさを確保するための環境整備」について実際に医療機関内で話し合い、実践する仕組みのことです。このシステムを医療現場に導入する際にも、都道府県の支援センターがサポートを行います。
都道府県は15年度計画を、地域の医師会や病院団体などと共有し、さらに都道府県間でも情報交換を行い、先進的な事例を参考にし、改善していくことになっています。
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