16年度診療報酬改定に向け「病棟群単位の入院基本料」要望へ―日病協
2015.4.24.(金)
日本病院会や全日本病院協会、日本医療法人協会などが加盟する日本病院団体協議会が24日、記者会見を開き、2016年度に予定される次の診療報酬改定に向けて「病棟群単位の入院基本料」を要望していくことを明らかにしました。
8月にもまとめる予定の次期診療報酬改定に向けた要望項目の1つに盛り込む方針です。
入院基本料は現在、「病院単位」で届けなければなりません。これを、病院が自ら「病棟群」を設定し、入院基本料の届け出を群ごとに行う方式に変更すべきだと要望します。
A、B、C、D、Eの5病棟を持つ病院があった場合、その病院が「A、B、C、D、E」を1つの群として7対1入院基本料を届け出ることや、「A、B、C」群を7対1、「D、E」群を13対1として届け出ることを可能とするものです。
同協議会の神野正博副議長は、「現在の病院ごとの方式では、看護師がわずかに足りなければ、例えば7対1入院基本料をすべての病院で届け出ることができなくなる。病院群単位とすることで、一部の群を7対1、別の群を看護配置に見合った入院基本料とすることが可能になる」と説明しています。
この要望については、四病院団体協議会(日病、全日病、医法協、日本精神科病院協会)と日本医師会が共同で要望していくことを既に決めており、ここに日本病院団体協議会も加わる形になります。
同協議会の楠岡英議長は、「日病協で8月にも次期改定に向けた要望を行うが、その1項目とする」との考えを述べています。
会見ではまた、新たな選定療養として次の4項目を厚生労働省に提案する考えも発表されました。
(1)地域に診療所がなく、紹介状なしの外来患者を受け入れざるを得ない大病院の診療科について、国会で審議中の「新たな定額別途負担」を選定療養とする
(2)入院患者が他院を受診する場合、転院に伴って「他院から自病院」あるいは「自病院から他院」へ患者を移送する場合などに、自病院の救急車などの車両での送迎費(交通費)と、医師・看護師が同乗した場合の費用などを選定療養とする
(3)ヘリコバクターピロリの3次除菌を選定療養とする
(4)患者の不安を軽減する必要がある場合に実施された腫瘍マーカーについて、選定療養の範囲を、PSAやCA19-9などに拡大する
選定療養については、中央社会保険医療協議会(中医協)で類型の見直しに向けた検討を行う方針が固まっています。このため厚生労働省が関係学会や病院団体に「類型見直しに向けた提案」を募っており、これに応えるものです。
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