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「DPCのII群病院は高度急性期を担う病院」と考える―佐々木企画官

2015.4.27.(月)

 診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会が27日開かれ、厚生労働省保険局医療課の佐々木健企画官は「DPCのII群病院は地域医療構想における高度急性期を担うところになるのではないかと考えている」との見解を表明しました。

 今後、地域医療構想を所管する厚労省医政局の地域医療計画課とも協議を行い、2016年度の次期改定に向けて、DPCのII群と地域医療構想の整合性をとる対応を行えないか検討していく方針も明らかにしています。

4月27日に開催された、「平成27年度 第1回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」

4月27日に開催された、「平成27年度 第1回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会」

16年度改定で、地域医療構想とDPCII群との整合性も検討

 現在、DPCのII群病院は「大学病院本院であるI群病院に準ずる病院」として、▽診療密度▽医師臨床研修の実施▽手術実施症例 1 件あたりの外保連手術指数▽DPC 算定病床当たりの外保連指数▽手術実施症例件数▽重症患者に対する診療の実施―のそれぞれの実績要件が、I群の最低値以上でなければなりません。

 しかし、これらの要件は「相対的」なものであり、DPC評価分科会では「II群病院には、地域で基幹的な役割を果たすことが望まれている。安定した絶対値を基準とすることはできないか」という方向で今後検討を行うこととなっています。

 そうした中、佐々木企画官は「現在、地域医療構想策定に向けた検討が進められており、これらとの整合性をどう図るかが重要である」とし、「II群の病院は、地域医療構想における高度急性期を担うところになるのではないか」とかなり踏み込んだ見解を明らかにしました。

 しかも、「今後、しかるべき段階で、厚労省医政局とも協議し、16年度に次期診療報酬改定で、地域医療構想とDPCのII群との整合性をとる対応ができないか検討していきたい」とも述べています。

 地域医療構想については、ガイドラインや病床機能ごとの医療需要推計に向けた計算式が示されていますが、策定に必要な受療率などのデータ送付にはまだ時間がかかり、実際に都道府県が構想策定に着手できるのは夏頃からと見られています。一方で、次期改定に向けてDPC評価分科会は年内に結論を出さなければならず、「整合性」を煮詰める議論に使える時間は極めて限られています。

 なお、現在、地域医療構想ガイドラインなどでは「高度急性期は、入院基本料相当とリハビリテーション料を除いた医療資源投入量が1日当たり3000点以上」という目安が設定されています。この点について厚労省保険局医療課の担当者は「患者数推計のための目安という位置づけであり、3000点などを基準にII群を設定していく考えはない。あくまで地域でどのような役割を担っているかが基本になる」と説明しました。

 この点に関し、瀬戸泰之委員(東京大学大学院医学系研究科消化管外科教授)は「基幹的や役割を担う病院は、地域の軽症患者を受け入れざるを得ない部分もあり、診療密度だけでは測れない機能もある。おおむね都道府県単位である3次医療圏の1つII群病院があったほうがよいと考える」との考えを述べています。

◆変更履歴
タイトルおよび本文に、「厚生労働省保険局がDPCII群病院は高度急性期を担う病院と考えている」と記載しましたが、厚労省保険局医療課の佐々木健企画官の個人的見解に訂正させていただきます。また、本文中に「地域医療構想と診療報酬との整合性」との記述がありますが、正しくは「地域医療構想とDPCのII群との整合性」です。さらに、「厚労省医政局の地域医療計画課と協議する」との記述がありますが、正しくは「厚労省医政局と協議する」です。お詫びして訂正します。タイトルおよび本文は修正済みです。【2015/04/28更新】

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