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医療費助成の指定難病196を5月に告示へ―指定難病検討委員会

2015.4.28.(火)

 新たに医療費助成対象となる196の難病候補が、28日に開かれた厚生科学審議会・疾病対策部会の指定難病検討委員会で正式に決まりました。5月1日に開かれる疾病対策部会の了承を経て、同月中旬に196の新たな指定難病が告示され、7月1日から医療費助成が開始される見込みです。

4月28日に開催された、「第12回 厚生科学審議会・疾病対策部会・指定難病検討委員会」

4月28日に開催された、「第12回 厚生科学審議会・疾病対策部会・指定難病検討委員会」

1月スタート分と合わせて306疾病に医療費助成

 196の指定難病候補には、▽先天性ミオパチー▽筋ジストロフィー▽結節性硬化症▽ウィリアムズ症候群▽閉塞性細気管支炎▽フェニルケトン尿症▽慢性再発性多発性骨髄炎▽胆道閉鎖症―などが含まれ、日常生活・社会生活に支障があるなど一定の重症者に限定して医療費が助成されることになります。

※196疾病一覧表を最新版としました(疾病名の表記のみ、従前と比べて一部変更されています)

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その1)、123・124・174の疾病名について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その1)、123・124・174の疾病名について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その2)、129・198・199の疾病名について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その2)、129・198・199の疾病名について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その3)、228の疾病について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その3)、228の疾病について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その4)、280・288・291の疾病名について表記が若干修正されている

7月から新たに医療費助成対象となる見込みの196疾病(その4)、280・288・291の疾病名について表記が若干修正されている

 今後、指定難病委員会の上部組織である疾病対策部会に、▽196の指定難病候補▽各疾病の診断基準と、医療費助成の目安となる重症度分類―が報告されます。

 そこで了承されれば、5月中旬に196の指定難病が告示され、併せて診断基準・重症度分類が通知されます。さらに、厚労省は難病患者の診断状況を記載する「臨床調査個人票様式」例も通知する考えです。今回の196疾病と、1月から既に施行されている110疾病を合わせ、7月1日から306の指定難病患者に医療費が助成されることになります。

5月中旬に196疾病の告示などが行われ、7月1日からは医療費助成対象疾病は306に拡大される

5月中旬に196疾病の告示などが行われ、7月1日からは医療費助成対象疾病は306に拡大される

パブコメの意見は、第三次の指定難病拡大の際に検討

 医療費助成対象となる難病(指定難病)の拡大は、社会保障・税一体改革の一環として成立した難病対策基本法で規定された事項です。基本法には指定難病の拡大のほか、難病患者の自己負担割合を引き下げ(従来の3割から2割へ)、所得などに応じた自己負担上限の設定などが盛り込まれました。

 指定難病は現在、2段階に分けて拡大することとなっており、「第一次実施分」では今年1月から110疾病が指定難病となっています。今回、7月からの「第二次実施分」の指定対象候補が196疾病に絞り込まれ、パブリックコメントの募集が行われました。

 そこでは、「指定難病の要件を満たさない疾病も医療費助成対象とすべき」「検討対象となった615疾病以外も医療費助成対象とすべき」「重症度に関わらず医療費を助成すべき」といった意見が寄せられています。

 しかし、助成を行うための財源には限りがあり、その上財源は「税」なので、厚生労働省健康局疾病対策課の担当者は「現時点では、日常生活・社会生活に支障がある者とすることが適切ではないか」との考え方を示し、原案からの大きな変更は不要と判断しています。

 パブリックコメントとして寄せられた意見は、今後の難病対策を検討する際の参考資料になります。この点について千葉勉委員長(京都大学大学院総合生存学館思修館特定教授)は、「委員会の議論では、公平性を確保する点を重視した。秋以降に第三次実施に向けた検討が始まる。パブコメとして寄せられた意見は、その際の検討課題になるだろう」と見通しています。

1月スタート分の一部で、重症度分類などを修正

 1月からスタートしている110疾病の診断基準・重症度分類について、臨床現場からは幾つかの指摘が出ています。厚労省は、これを受けて次のような見直し案を提示、同日の指定難病委員会で了承されました。

▽プリオン病について、特定疾患治療研究事業の対象(医療費は全額公費負担)となっている「ヒト由来乾燥硬膜移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)とされた症例」は除外する(現在の運用を明確にするもの)

▽ベーチェット病について、(a)腸管型(b)血管型(c)神経型―を「特殊型」と定義し、診断基準を明記する

▽特発性大腿骨頭壊死症について、可動域の評価を「ゼロ度以下をゼロ点、1度以上10度未満を2点、10度以上20度未満を4点、20度以上30度未満を6点、30度以上を8点とする」ことに変更する

▽サルコイドーシスについて、診断基準の臨床指標を「呼吸器症状(咳・息切れ)、眼症状(霧視)、皮膚症状(丘疹)など」に変更し、診断の手引きも改める

▽110疾病すべてで、「診断基準・重症度分類の適応における留意事項」を次のように改める

(1)病名診断に用いる臨床症状、検査所見などに関して、診断基準上に特段の規定がない場合には「いずれの時期のもの」を用いても差し支えない。ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状などであって、確認可能なものに限る。

(2)治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態で「直近6か月で最も悪い状態を医師が判断する」こととする。

(3)症状の程度が重症度分類で一定以上に該当しないが「高額な医療を継続することが必要な者」については、医療費助成の対象とする。

 最後の「留意事項」については、第2次実施分の196疾病のものとそろえる形です。

 こうした診断基準・重症度分類の見直しについては、第2次実施分の196疾病と合わせて5月中旬に局長通知で示される見込みです。

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