15年1月の一般病床稼働率、前月に比べて13.6ポイント改善―厚労省、病院報告
2015.5.1.(金)
厚生労働省が4月30日に発表した病院報告によりますと、2015年1月の一般病床の利用率が前月に比べて10ポイント以上上昇し74.5%となったことなどが明らかになりました。
病院報告では、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率-が毎月示されます。15年1月の状況を見てみましょう。
(1)の1日平均患者数は、病院では入院126万7747人(前月比1万5233人・1.2%増)、外来131万4252人(同7万2839人・5.3%減)、診療所の療養病床では入院6953人(同64人・0.9%減)となりました。病院の外来患者が大きく減少している点が目を引きます。
一般病床の入院患者数は68万1032人で、前月に比べて1万5209人(2.3%)増加しています。また療養病床では、入院患者数は29万2715人で、前月比87人(0.0%)と微増しました。
次に(2)の平均在院日数を見ると、病院全体では31.0日で、前月に比べて2.3日延びました。病床種別に見ると、一般病床17.7日(前月比1.5日増)、療養病床164.0日(同11.4日増)、介護療養病床328.1日(同17.5日増)、精神病床300.9日(同20.2日増)と、軒並み延びていることが分かります。
在院日数の短縮は、医療費の効率化や、医療の質の向上(院内感染リスクの解消やADL低下などの防止)につながるため、政府の重要政策の一つに位置付けられています。
最後に(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では79.9%で、前月に比べて8.0ポイントと大きく上昇しました。病床種別では、一般病床74.5%(同13.6ポイント上昇)、療養病床89.4%(同0.8ポイント上昇)、介護療養病床92.0%(同0.3ポイント低下)、精神病床86.2%(同0.2ポイント上昇)となっており、一般病床の稼働率の改善が全体を引き上げています。
ただし、例年12月は病床利用率が下がる傾向にあり、より長期的な視点での分析が必要です。
なお、(2)の平均在院日数短縮を進めると、病院の経営面では減収方向に動きます。このため病床稼働率を上げる必要がありますが、その際には病床規模の縮小や機能転換などの多角的な対策が求められます。
【関連記事】