リハマネジメント加算を算定していなくても、介護と医療のリハ重複算定できない―15年度介護報酬改定Q&A(Vol.2)
2015.5.8.(金)
介護保険の通所リハビリテーションなどを受けている場合には医療保険のリハビリテーション料を算定することはできませんが、「リハビリテーションマネジメント加算(I)」や「同加算(II)」「短期集中個別リハビリテーション実施加算」などを算定していない場合でも同様に扱われることを厚生労働省が明確にしました。
これは4月30日の「介護報酬改定に関するQ&A(Vol.2)」で示されたものです。
リハビリについては、介護保険からも医療保険からも給付されています。厚労省はこれまでに、両者の給付を調整するため、「医療保険から介護保険のリハビリに移行した日以降、同一の疾患などで医療保険の疾患別リハビリテーション料を算定することはできない」ことなどを明らかにしています。
2015年度の介護報酬改定で、通所介護などのリハビリテーションマネジメント加算が大幅に組み替えられたことなどを受け、次の場合にも医療保険の疾患別リハビリテーション料を算定できないことをあらためて明確にしました。
▽通所リハで「リハビリテーションマネジメント加算(I)」や「同加算(II)」、「短期集中個別リハビリテーション実施加算」を算定していない場合
▽介護予防通所リハで「運動器機能向上加算」を算定していない場合
15年度介護報酬改定では、リハビリを漫然と行うのではなく、「目標を定め、進捗状況を管理し、サービスの内容を適宜見直す」というリハビリの管理(マネジメント)を行うことを上記の「リハビリテーションマネジメント加算」として評価しています。Q&Aでは、この加算について、次のような取り扱いを明確にしました。
▽事業者が異なる訪問リハと通所リハがケアプランに位置付けられている場合、各事業者が主体となってリハビリに関する専門的な見地から利用者の状況などの情報を構成員と共有し、リハビリテーション計画を作成するなどしていれば、リハビリテーション会議を合同で開いてもよい
▽リハビリテーションマネジメント加算の要件の1つに「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が、ケアマネジャーを通じて、訪問介護員などに日常生活上の留意点、介護の工夫などの情報伝達を行うこと」があるが、利用者が福祉用具貸与のみを利用する場合にも従業者に情報伝達を行う必要があり、また利用者がほかのサービスを利用していない場合には、この情報伝達は必要ない
▽リハビリテーションマネジメント加算(II)の要件の1つに、「リハビリテーション計画について、医師が利用者・家族に対して説明し、利用者の同意を得ること」があるが、説明などはリハビリテーション計画を作成した医師が行わなければならない
▽リハビリテーションマネジメント加算(I)と(II)は、月によって選択的に算定することが可能だが、これらの加算は「SPDCAサイクルの構築を通じて、継続的にリハビリの質の管理を行うこと」を目的としており、いずれかの加算を継続して算定することが望ましい
15年度介護報酬改定では、リハビリ機能の特性を生かした「短期集中個別リハビリテーション実施加算」「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」「生活行為向上リハビリテーション実施加算」の創設―なども行われました。
このうち「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」は、名称通り認知症高齢者の特徴に合わせたリハビリを評価するもので、「精神科医・神経内科医・認知症に対するリハビリの専門的な研修を修了した医師」が、生活機能の改善を見込めると判断した利用者に対して、生活機能の改善を目的に医師や、医師の指示を受けた理学療法士などが記憶の訓練、日常生活活動の訓練などを組み合わせたプログラムを実施した場合に算定できます。
厚労省は、「認知症に対するリハビリの専門的な研修」について、▽全国老人保健施設協会による認知症短期集中リハビリテーション研修▽日本慢性期医療協会、日本リハビリテーション病院・施設協会などの「認知症短期集中リハビリテーション医師研修会▽都道府県による認知症サポート医養成研修―を例示しました。
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