一般病床数、DPC病床割合が横ばい 機能分化足踏み?―GHC分析
2015.5.13.(水)
DPC導入病床の数を見ると機能分化が進んでおらず、2016年度の次期診療報酬改定で促進措置が採られる可能性がある―。GHCアソシエイトマネジャーの湯原淳平は、厚生労働省が公表したDPC算定病床数などから、このような分析を行っています。
厚生労働省は8日、4月1日現在の「DPC対象病院・準備病院の規模見込み」を公表しました。
それによりますと、DPC対象病院は同日現在、全国に1580あり、一般病院全体(11年の医療施設調査では7528病院)の2割強を占めています。病床規模別に見ると、▽100床未満が215病院▽100-199床が381病院▽200-299床が302病院▽300-399床が263病院▽400-499床が151病院▽500床以上が268病院―と、比較的小規模の病院が多いことが分かります。
また、DPC算定病床は4月1日現在、48万4081床と、全一般病床(11年の医療施設調査では89万9385床)の53.8%です。DPCの病床数を病院の病床規模別に見ると、▽100床未満では1万4468床▽100-199床では5万6362床▽200-299床では7万4715床▽300-399床では9万319床▽400-499床では6万6616床▽500床以上では18万1601床―です。
一般病床に占めるDPC算定病床の割合は、DPCが導入された03年度には7.7%にすぎませんでしたが、10年度には50.7%と過半数を占め、その後は50%台前半で、横ばいで推移しています。DPC算定病床の割合を病院の病床規模別に見ても、10年度から大きな変化はないことが分かります。
こうした状況についてGHCの湯原は「14年度の診療報酬改定で地域包括ケア病棟・病床を新設するなど、厚労省は病床の機能分化を進めようと考えているが、一般病床数が変わっていない中で、一般病床数に占めるDPC算定病床割合が変化していないことから、実際には機能分化が十分に進んでいないと考えられる」と分析。さらに、地域医療構想の策定や病床機能報告制度などの動向もにらむと、「16年度の次期診療報酬改定は、機能分化をさらに促進する内容となる可能性が高い」と見通しています。