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特養ホームなどへの外部の訪問看護サービス導入拡大を―日看協が16年度予算に向け要望

2015.5.14.(木)

 日本看護協会は12日、厚生労働省老健局の三浦公嗣局長と労働基準局の岡崎淳一局長に宛てて、2016年度予算の中で「特別養護老人ホームなどへの外部からの訪問看護導入を拡大する」ことなどを求める要望書を提出しました。

認知症ケアのスキルアップに向けた支援も

 地域包括ケアシステムの構築が急がれる中、日看協では「在宅・介護領域における看護サービスの整備」が必須だとし、次の4項目を要望しています。

(1)在宅・介護領域における看護職の確保と質の向上

(2)訪問看護の効果的・効率的な提供体制の構築

(3)認知症の早期発見・早期対応に向けた体制整備

(4)地域包括支援センターの機能強化

 このうち(2)の訪問看護については、特養ホームや認知症グループホームのほか、有料老人ホームなどの特定施設に対して、必要に応じて適時適切に外部の訪問看護サービスを導入できる体制が必要としています。

 現在、医療保険の訪問看護サービスが認められるのは、▽特養ホームでは末期がん患者と精神科訪問看護▽認知症グループホームでは末期がんなど一部の疾病―に限定されています。しかし、日看協は「すべての特養ホームや居住系施設で、看護師などの医療職を配置することは困難」とし、対象疾患や状態像の拡大、契約による緊急時対応などを可能とするよう要請しています。

 また未曾有の高齢化が進展する中では、認知症患者も増加の一途をたどることが確実です。そうした状況の中では、認知症患者が骨折などの傷病で急性期病院に入院するケースも増えています。

 この点について日看協は「入院に伴う環境変化で認知症の症状や、治療拒否によって身体合併症状が悪化することを防止する」必要があるとし、病院や地域の看護師が認知症ケアの専門的知識・技術を習得し、権利擁護の視点を持って連携協働していくことが必要と指摘しています。

 その上で、日看協が認定した「認知症看護認定看護師」や「老人看護専門看護師」らがリーダーとなって、自院や地域で認知症ケアの指導に当たれる体制を整備し、多くの看護職員が認知症ケアのスキルアップを図れるような体制整備への支援を求めています。

 このほか、看護職員の労働環境改善に向けて、次のような要望も行っています。

▽夜勤労働適正化のための指針の策定

▽医療施設等における看護職員の労働安全衛生対策の強化

▽都道府県医療勤務環境改善支援センター機能の確実な実現のための仕組み構築

▽従業員数10人未満の事業所に対する週40時間労働制への移行支援策の実施

▽勤労者の健康支援対策の推進

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