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「骨太方針2015」に医療の標準化や診療報酬の包括化推進を―健保連などが意見表明

2015.6.8.(月)

 健康保険組合連合会など被用者保険関係5団体が5日、医療の標準化や診療報酬の包括化の推進、さらに費用対効果評価の導入検討などを、政府が定める骨太方針2015に盛り込むよう求める意見を発表しました。

社会保障制度を持続させるため、費用の抑制を

 安倍首相は現在、政策運営の基本指針となる「骨太方針2015」の策定に向けた検討を進めています。骨太方針は「経済の再生」と「財政の健全化」の両立を目指すもので、「財政の健全化」のために社会保障費の抑制を最重要課題に掲げています。

 そうした中、健保連、全国健康保険協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会の被用者保険関係5団体が、骨太方針2015に盛り込むべき事項を提言しました。

 まず、社会保障費の抑制は、「財政の健全化」だけでなく、持続可能な制度を構築するために不可欠とし、次のような要望を行っています。

▽後発医薬品のさらなる使用促進に向けた実効性ある取り組みを一層推進する

▽医療・介護のICT化などによる検査や投薬などの無駄を排除するとともに、不正請求を一掃する

▽医療の標準化、診療報酬の包括化を推進する

▽医療提供体制の効率化を進め、医療費や要介護認定率の地域差を是正する

▽医薬品や医療機器の保健適用などにかかわる費用対効果評価の導入などを検討する

▽高齢者を一律に弱者ととらえることなく、負担能力に着目した「患者や介護サービス利用者の負担の在り方」を検討する

総報酬割の介護納付金などへの拡大に反対

 先ごろ成立した「医療保険改革関連法」では、公平な負担を確保する方策の一環として「被用者保険が負担する後期高齢者支援金の計算方法に、全面総報酬割を導入する」ことが盛り込まれています。

 これは、75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」への若人の負担金を、従前の「原則として、被用者保険ごとの加入者数に応じて配分する」仕組みから、「被用者保険ごとの加入者数と報酬水準に応じて配分する」仕組みへと移行するものです。

 この全面報酬割の導入により、国から協会けんぽへ支出されていた負担(国庫負担)が2500億円減少することになりますが、その減少分は国民健康保険への財政支援に回されます。

 

 この点について、5団体は「さらに財源捻出策として介護納付金や前期高齢者納付金に総報酬割を導入することは、到底容認できない」とし、現役世代の拠出金抑制策を講ずることを強く求めています。

 なお、政府関係者の一部にある「被用者保険統合」案に対しては、「保険者機能を低下させ、医療費や国全体の負担を増加する」として断固反対の姿勢を示しています。

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