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15年度の臨床研修医は8244人で過去最多、医学部定員増も影響―厚労省

2015.6.9.(火)

 今年度(2015年度)の臨床研修医は、医学部入学定員増加も手伝って、過去最高の8244人となったことが、厚生労働省が8日発表した「臨床研修医師の採用実績」から明らかになりました。

 また、東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡の6都府県を除く地域での臨床研修医採用実績割合も、56.4%と過去最高になっています。

15年度の研修医採用実績は8244人で過去最多

 2004年度から新たな臨床研修医制度がスタートし、臨床現場に立つ医師には、すべて2年間以上の初期臨床研修が必修化されました。

 新制度では、▽研修医が研修先病院の希望を出し、公的なマッチング機構で研修先病院を決める▽基本的な診療能力を身につけるために、複数の診療科での研修を必須とする―ことになっています。

 ただし新制度を運用する中で、「研修医が特定地域に集中しがちである」「柔軟な研修プログラムを用意し、多様な能力を持つ医師を養成する必要がある」などの指摘を受け、▽都道府県別の募集定員に上限を設ける▽小児科、産婦人科、精神科に重点を置いたプログラムを認める―などの見直しが行われています。

 研修医の採用人数を見ると、14年度までは7000人台で推移していましたが、今年度(15年度)は8244人となり、過去最多を記録しました。この背景には、文部科学省と厚労省がまとめた「地域の医師確保対策2012」に基づく、医学部の定員増の影響があると考えられます。確保対策2012では、19年度まで医学部の定員増を継続することとしているので、研修医の採用数も増加することになるでしょう。

東京など除く地域での研修医採用、増加続く

 臨床研修医の採用状況を都道府県別に見ると、大都市を抱える東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡の6都府県の割合は10年度から減少傾向にあり、15年度は43.6%となりました。新制度実施前の03年度には、6都府県の割合が51.3%だったので、12年間で7.7ポイント下がった計算になります。

 逆に6都府県以外の道県の割合は増加傾向にあり、15年度は56.4%で過去最高となっています。

東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡の6都府県での採用割合が減り、その他の道県での採用割合が増加している

東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡の6都府県での採用割合が減り、その他の道県での採用割合が増加している

 臨床研修医の採用実績が増えた上位5件と、今年度の採用人数は、(1)青森の93人(前年度に比べて34.8%増)(2)群馬の103人(同32.1%増)(3)鹿児島の92人(同26.0%増)(4)長崎の94人(同25.3%増)(5)静岡の207人(同24.0%増)―という状況です。

 地方部で臨床研修を受ける医師が増えれば、研修終了後もその地で診療に従事することが期待できます。「深刻」と言われる地方の医師不足解消に向けた施策の効果が、徐々に表れていると言えそうです。

大学病院での研修割合は41.7%まで低下

 新制度の実施前は、卒業した医学部の附属病院で研修を受ける医師が圧倒的で、大学病院での研修が7割超を占めていました。

 しかし、新制度では「研修医が研修先病院の希望を出せる」ため、大学病院以外の臨床研修病院で研修を受ける医師が増加しました。それぞれの病院が、特色ある研修プログラムを準備したり、研修医に厚い待遇を用意したりした努力が現れていると言えるでしょう。

 「大学病院で研修を受ける医師」と「臨床研修病院で研修を受ける医師」の比率は、新制度がスタートした04年度には55.8対44.2になり、翌05年度には49.2対50.8と、臨床研修病院で研修を受ける医師のほうが多くなりました。

 その後、11年度からは臨床研修病院で研修を受ける医師の割合がさらに増加傾向を強まり、今年度は41.7対58.3となっています。

大学病院で研修を受ける割合は、臨床研修必修化(新制度)前は7割を超えていたが、2015年度(平成27年度)には41.7%にまで減少した

大学病院で研修を受ける割合は、臨床研修必修化(新制度)前は7割を超えていたが、2015年度(平成27年度)には41.7%にまで減少した

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