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Ⅱ群要件に「地域での機能」DPC分科会が中間まとめ案―Ⅲ群は細分化せず

2014.9.5.(金)

 診療報酬・調査専門組織DPC評価分科会は5日、2016年度診療報酬改定に向けたDPC関連の検討課題の中間取りまとめ案を固めました。DPC病院群の区分けの見直しを含む医療機関別係数など2つのテーマごとに大まかな方向性を盛り込んだもので、「DPC病院Ⅱ群」については、それぞれの病院の「地域における機能」を要件にするとしています。「DPC病院Ⅰ群」(大学病院本院)並みの急性期機能を担保するため、院内で実施する手術の難度などについてⅠ群での最低値のクリアを求める現在の仕組みから、各病院が地域の中でカバーしている機能を判断の軸足にシフトさせる内容です。

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 小山信彌分科会長(東邦大学医学部特任教授)が中央社会保険医療協議会(中医協)に10月に中間取りまとめ案を報告する見通しで、正式な方向性は中医協が決めます。

基礎係数と機能評価係数2への財源配分を見直しへ

 分科会がこの日固めた中間取りまとめ案は、医療機関別係数と診断群分類点数表について、分科会によるこれまでの議論の結果を反映させたものです。医療機関別係数では、DPC病院Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ群ごとに見直しの方向性を盛り込みました。

 それによると、Ⅰ群については原則として大学病院本院(80病院)で構成する現在の枠組みを維持するものの、▽診療機能や人員の一部を分院に移している▽精神科病床など「総合的な機能」の一部が整備されていない―といった本院から分科会が実態をヒアリングし、具体的な対応を検討します。中医協の判断次第では、本院を無条件でⅠ群とみなす「原則」の見直しに切り込む可能性もあります。

 厚労省では、従来の「調整係数」の見直しに伴って、出来高分を含む診療報酬の増減を2%以内に抑える激変緩和措置を継続させるかどうか、こちらは緩和措置の対象になっている病院へのアンケートを踏まえて判断する考えです。ヒアリングの対象には5病院前後を想定していて、早ければ10月にも実施します。

 一方、Ⅰ、Ⅱ群以外の「DPC病院Ⅲ群」については、特定の診療科の患者をカバーする専門病院を別建てにすることで、細分化するかどうかが焦点です。中間取りまとめ案では、こうした対応は取らない代わりに、DPC病院群ごとに設定する「基礎係数」と、地域医療への貢献などを促す「機能評価係数Ⅱ」に割り振る財源のウェートを見直す方向性を示しました。

 厚労省の佐々木健・医療課企画官は分科会の会合終了後、「バラエティーに富んだ(Ⅲ群の)病院を評価するのに、今の機能評価係数Ⅱの財源では少し足りないというのが、分科会での議論だった」との認識を示しました。

実績要件の取り扱いは引き続き検討

 一方、Ⅱ群については、三次医療圏内でどのような機能をカバーしているのかを要件にする方向で検討します。

 現在の仕組みでは、「高度な医療の提供」など4通りの「実績要件」のすべてでⅠ群の最低値をクリアすることがⅡ群病院の要件で、院内で実施している手術の難度などが判断基準です。ただ、こうした仕組みだとこれらの要件をクリアできなくなった病院がⅡ群からⅢ群に「降格」したり、逆にⅢ群の病院がⅡ群に移ったりするケースが後を絶たず、見直しを求める意見が中医協から挙がっています。

 先の通常国会での医療法改正に伴い、地域ごとの病床機能の再編が今後、本格化する見通しで、こうした動きとDPC制度の整合性を、16年度以降の報酬改定でどう担保させるかが最大のテーマです。Ⅱ群とⅢ群の入れ替わりを少なく抑える観点からも、厚労省は、高度急性期機能を持つと地域で認められた病院をⅡ群として扱い、Ⅰ群の病院と共にこの機能をカバーさせる形を現時点で想定しています。ただ、実際の判断基準や現在の実績要件の取り扱いは、中医協で話し合うとしています。

CCPマトリックスはまず7領域に

 一方、診断群分類点数表関連では、入院患者の重症度や医療資源の投入量に配慮して診療報酬を評価する新たな評価手法「CCPマトリックス」について、まずは症例数が多い診断群分類に試験導入します。

 具体的な導入先の候補として中間とりまとめ案では、「肺炎」「脳血管疾患」「心不全、虚血性心疾患」「結腸、直腸がんなど」「リウマチ」「卵巣、子宮がんなど」「糖尿病」の7つの領域を挙げていて、厚労省は16年度に対応する方針です。

 16年度報酬改定での診断群分類点数表の見直しについては、秋ごろに基本方針を固めることになっていて、厚労省では、中間とりまとめが中医協に了承されれば「あとは粛々と作業を進めたい」と話しています。

2014年度 第5回 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 資料