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15年度の介護従事者処遇状況調査、事務職員や栄養士なども調査対象に―介護事業経営調査委員会

2015.6.22.(月)

 2015年度の介護従事者処遇状況等調査では、これまでの介護職員や介護職員などに加えて「事務職員」「調理員」「栄養士」の処遇状況も調べる方向で調整が進められています。22日に開かれた社会保障審議会・介護給付費分科会の「介護事業経営調査委員会」には、厚生労働省から調査票案などが示されました。

 調査は、25日に開かれる介護給付費分科会の了承を経て10月に実施され、今年度末に結果が公表される予定です。

6月22日に開催された、「第12回 社会保障審議会・介護給付費分科会・介護事業経営調査委員会」

6月22日に開催された、「第12回 社会保障審議会・介護給付費分科会・介護事業経営調査委員会」

10月に調査実施、今年度末に結果を公表

 介護従事者には「労働に見合った対価が得られていない(給与水準が低い)」「キャリア・アップが難しい」などの労働環境に関する不安があると指摘されます。そこで、09年度には『介護職員処遇改善交付金』が、12年度にはこれを引継ぐ形で『介護職員処遇改善加算』が創設されるなど、処遇改善に向けた取り組みが行われています。

 厚労省はこれらの交付金、介護報酬の効果を見るため「介護従事者処遇状況等調査」を行っています。

 この日の調査委員会には、15年度に行われる調査の概要案が示されました。調査対象は、▽介護老人福祉施設▽介護老人保健施設▽介護療養型医療施設▽訪問介護事業所▽通所介護事業所▽認知症対応型共同生活介護事業所▽居宅介護支援事業所―で働く以下の職員で、給与や処遇の状況、利用者数、勤務年数や勤務形態、資格の取得状況、兼務の有無などを調べます。

▽介護職員

▽看護職員

▽生活相談員・支援相談員

▽理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、機能訓練指導員

▽介護支援専門員

▽事務職員、調理員、栄養士

 これまでは「介護従事者」の給与などを調べていましたが、「事務職員なども介護施設や事業所で働く職員であり、給与の実態を調べ、適切な対応をする必要があるのではないか」との指摘があり、今回から「事務職員」「調理員」「栄養士」が調査対象に加わりました。今後、処遇改善加算などで対象範囲が拡大される可能性もあり、調査結果が注目されます。

 また、今回の介護報酬改定では処遇改善加算について、より充実した処遇改善を行う事業所を手厚く評価する処遇改善加算(Ⅰ)が新設されています。これも含めて、「処遇改善を行っていない場合にはその理由」や「給与引き上げ以外の処遇改善状況」なども調べます。

 25日に開かれる介護給付費分科会の了承を経て、9月末までに調査票を対象事業所に送付。10月に調査を行い(事業所による記入)、調査結果は今年度末に公表される予定です。

給与相場を把握するため、勤続1年未満の職員も調査

 この調査は処遇改善の状況の把握が目的なので、これまでは「同じ事業所に1年以上勤務している人」の給与がどれだけ引き上げられたかなどを調べていました。逆に言えば、勤務期間が1年に満たない人は、処遇改善の変化を比べられないため、調査対象から除外されていたのです。

 しかし、厚労省老健局老人保健課の迫井正深課長は、「当該事業所で働く人全体の給与水準(いわば相場)を把握する必要があるのではないか」との考え方に立って、今回調査では「勤続1年未満の人」も調査対象に加えることになりました。ただし、これらの人について処遇改善状況はとらえられないので、給与水準のみを調べます。

 したがって職員の給与などについては、次の2段構成で把握することになります。

▽勤続1年以上の人を対象に、14年9月と15年9月の給与水準や労働時間などを調べる(現在の給与水準と、1年前からの変化を把握できる)

▽勤続1年未満の人を対象に、15年9月の給与水準や労働時間などを調べる(現在の給与水準を把握できる)

 なお、同時に「給与表の改訂」状況なども調べるので、「名目」(給与表から)と「実態」の双方を組み合わせて処遇改善状況を把握することになります。

施設・事業所対象の調査では派遣職員の数も把握

 ところで、処遇改善状況は、次の2つの調査で把握されます。

(1)施設や事業所を対象にした「利用者数や職員数、処遇改善の状況」などを調べる調査(施設・事業所票)

(2)職員を対象にした「職歴や給与、労働時間」などを調べる調査(従事者票)

 (1)の施設・事業所調査ではマンパワーを把握するために、現在は「派遣職員」も人数にカウントすることになっています。この点、堀田聰子委員(国際医療福祉大学大学院教授)らは「マンパワーを把握するためには、直接雇用者と派遣職員以外にも、その施設・事業所内で仕事を行っている人すべてを対象とすべきではないか」と指摘しており、将来的には見直される可能性もありそうです。

 一方(2)の従事者調査については、「どれだけの給与を得ているか」を調べることが目的なので、施設・事業所側が正確な給与を把握できない派遣職員(派遣元でなければ分からない)は調査対象から除外されています。すると調査対象は直接雇用者だけとなり、外部委託のケースが多い調理員については、ごくごく限られた人しか給与状況を把握できませんが、委員からは「少数サンプルであっても調査結果には意味がある」との見解が示されました。

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