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頻回な血糖測定や褥瘡などの医療区分2・3項目、よりきめ細かい設定へ見直し―入院医療分科会

2015.7.1.(水)

 療養病棟入院基本料の医療区分について、若干の見直しが行われそうです。1日に開かれた診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」に、厚労省は▽うつ状態(医療区分2)▽頻回な血糖検査(医療区分2)▽酸素療法(医療区分3)▽褥瘡(医療区分2)―について「よりきめ細かな状況を考慮すべきではないか」との論点を示しました。

 2006年度(平成18年度)の診療報酬改定で、療養病床入院基本料には「医療区分(1-3)」と「ADL区分(1-3)」の考え方が導入され、10年度(平成22年度)改定で9つの点数区分が設定されましたが、この間、医療区分の内容は変わっておらず、仮に次期改定で医療区分が直されるとなると大変大きなインパクトがあると思われます。

7月1日に開催された、「平成27年度 第4回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」

7月1日に開催された、「平成27年度 第4回 診療報酬調査専門組織 入院医療等の調査・評価分科会」

療養病棟入棟後の褥瘡発生、医療区分2から除外へ

 医療区分は現在、次のように3つに設定されています。

▽医療区分3:スモン、24時間の持続点滴、中心静脈栄養など

▽医療区分2:筋ジストロフィー、多発性硬化症、透析、頻回の血糖検査など

▽医療区分1:医療区分2と3以外

療養病棟入院基本料のが医療、医療区分とADL区分で9つの設定され、かつ看護配置・医療区分2と3の患者割合で基本料1と基本料2に区分される

療養病棟入院基本料のが医療、医療区分とADL区分で9つの設定され、かつ看護配置・医療区分2と3の患者割合で基本料1と基本料2に区分される

 この区分設定については、「医療区分1にも重症な患者がいる」「褥瘡を一律に医療区分2とするのはいかがなものか」といった指摘が数多くあります。

 厚労省はこの日、医療区分2と3の各項目について、「医師による指示見直しの頻度」や「看護師の観察および管理の頻度」「過去1か月の急性増悪の有無」を分析した資料を提示しました。それによると、▽うつ状態(医療区分2)▽頻回の血糖検査(医療区分2)▽酸素療法(医療区分3)―では、一定の割合で「医師の指示見直し」や「看護師の観察および管理」の頻度が低く、急性増悪が生じていない症例が含まれることが分かりました。

 例えば、「うつ状態」では、医師の指示見直しがほとんど必要ない患者が55%、看護師の観察・管理は定時観察のみで対応できる患者が66%、過去1か月に急性増悪がなく安定している患者が90%以上―という状況です。

うつ状態(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が55%など、軽症者が一定程度いることが分かる

うつ状態(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が55%など、軽症者が一定程度いることが分かる

 また、「頻回の血糖検査」では、医師の指示見直しがほとんど必要ない患者が44%、看護師の観察・管理は定時観察のみで対応できる患者が54%、過去1か月に急性増悪がなく安定している患者が約85%―という状況です。ちなみに「頻回の血糖検査」については、先般の15年度介護報酬改定で創設された「療養機能強化型の介護療養」の要件にも一部組み込まれています。

頻回の血糖測定(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が44%など、軽症者が一定程度いることが分かる

頻回の血糖測定(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が44%など、軽症者が一定程度いることが分かる

酸素療法(医療区分3)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が29%など、軽症者もいることが分かる

酸素療法(医療区分3)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が29%など、軽症者もいることが分かる

 こうした状況を踏まえ、厚労省は医療区分について「よりきめ細かな状況を考慮するべきではないか」との論点を掲げました。例えば、「頻回な血糖測定」だけではなく、他の状況も勘案して医療区分2に該当するかどうかを判断することなどが考えられそうです。

 一方、「褥瘡」(医療区分2)については「入棟後の褥瘡発生でも医療区分2としている現状は問題ないのか」という指摘もあり、厚労省保険局医療課の担当者は「褥瘡については、現在、入棟後に発生した場合でも医療区分2としているが、これが適切なのかどうかも議論してほしい」と要望しています。

 なお褥瘡の患者の状態を見てみると、医師の指示見直しがほとんど必要ない患者が36%、看護師の観察・管理は定時観察のみで対応できる患者が38%、過去1か月に急性増悪がなく安定している患者が90%以上―という状況で、やはり一定程度、「状態が落ち着いている」患者がいることが分かりました。

褥瘡(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が36%など、やはり軽症者が一定程度いることが分かる

褥瘡(医療区分2)の患者の状態を見ると、医師による指示見直しがほとんど必要ない人が36%など、やはり軽症者が一定程度いることが分かる

療養病棟基本料2にも、医療区分の高い患者要件設定へ

 現在、療養病棟入院基本料は次の2つに区分されています。

(1)基本料1:20対1以上、医療区分2と3の患者が8割以上

(2)基本料2:25対1以上

療養病棟入院基本料のが医療、医療区分とADL区分で9つの設定され、かつ看護配置・医療区分2と3の患者割合で基本料1と基本料2に区分される

療養病棟入院基本料のが医療、医療区分とADL区分で9つの設定され、かつ看護配置・医療区分2と3の患者割合で基本料1と基本料2に区分される

 看護配置と患者の医療区分で分類されている格好です。

 厚労省が、療養病棟の入院患者について医療区分の状況を調べたところ、基本料1では医療区分2と3の患者割合が増加していることが分かりました。言わばより重症な患者の受け入れを積極的に行っていると言えるでしょう。

 一方、基本料2では、医療区分1の患者が増加し、「より手間のかからない患者を受け入れる」方向にシフトしている可能性も疑われます。

基本料1(療養1)では平成22(2010)年から医療区分2・3のいわば重症者が増加するが、基本料2(療養2)では医療区分1の、いわば手のかからない患者が増加している

基本料1(療養1)では平成22(2010)年から医療区分2・3のいわば重症者が増加するが、基本料2(療養2)では医療区分1の、いわば手のかからない患者が増加している

 医療区分1と医療区分2・3の患者について、「医師による指示見直しの頻度」や「看護師の観察および管理の頻度」を見ると、医療区分1のほうが、指示見直しがほとんど必要なく、看護師による提示の観察で対応できる患者の割合が多いためです。

 こうした状況を受け厚労省は、「基本料2の病棟でも、医療の必要性の高い患者受け入れを促すべきではないか」との論点を掲げました。素直に受け止めれば、上記(2)の基本料2の要件に「医療区分2と3の患者が一定以上」という要件が追加されることになりそうです。

 仮に、こうした要件が追加されると、基準を満たさない療養病棟では、現状では特別入院基本料(1人1日当たり584点)を算定しなければなりません。

 この提案に対し、支払側の本多伸行委員(健康保険組合連合会理事)は賛意を示しました。また、診療側で日本慢性期医療協会の副会長でもある池端幸彦委員(医療法人池慶應会理事長)も「医療区分の要件導入も仕方ないかもしれない」と認めた上で、「ハードルを上げすぎないでほしい」と要望しています。

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