C型肝炎治療薬のアスナプレビル、今度は肝不全などの重大な副作用が判明―厚労省
2015.7.9.(木)
厚生労働省は7日、C型肝炎治療薬の「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100ミリグラム)など8つの医薬品に、肝不全などの重大な副作用があることが分かったため、医療機関などに注意を呼び掛けています。メーカーに対しては、使用上の注意に追記するよう要請しました。
8つの医薬品と、新たな「重大な副作用」は次の通りです。
(1)解熱鎮痛消炎剤の「トラマドール塩酸塩(OD錠、カプセル剤、注射剤)」「トラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン」(販売名:トラムセット配合錠など)
▽新たな【重大な副作用】:呼吸抑制
(2)血圧降下剤の「インダパミド」(販売名:ナトリックス錠1ミリグラムほか)
▽新たな【重大な副作用】:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
(3)糖尿病用剤の「アナグリプチン」(販売名:スイニー錠100ミリグラムほか)
▽新たな【重大な副作用】:腸閉塞(高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐などの異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)
▽腹部手術の既往または腸閉塞の既往のある患者に対しては、慎重な投与を行う
(4)前立腺がん治療剤の「アビラテロン酢酸エステル」(販売名:ザイティガ錠250ミリグラム)
▽新たな【重大な副作用】:劇症肝炎、肝不全
(5)インターフェロンを要さないC型肝炎治療薬の「アスナプレビル」(販売名:スンベプラカプセル100ミリグラム)と「ダクラタスビル塩酸塩」(販売名:ダクルインザ錠60ミリグラム)
▽新たな【重大な副作用】:肝不全(ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、血中ビリルビン増加、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下などが表れ、黄疸、腹水、肝性脳症などを伴う肝不全に至ることがある)
(6)B型肝炎治療薬の「アデホビルピボキシル」(販売名:ヘプセラ錠10ほか)
▽新たな【重大な副作用】:骨折
(7)「インフルエンザHAワクチン」
▽新たな【重大な副作用】:視神経炎
(8)「インターフェロンベータ-1a(遺伝子組換え)」(販売名:アボネックス)
▽新たな【重大な副作用】:劇症肝炎
厚労省は日本製薬団体連合会を通じて、各メーカーに添付文書の「使用上の注意」を速やかに改訂するよう求めています。医療現場では、これらの医薬品を使用する場合には観察や検査を十分に行い、患者の状態に異常があれば使用を中止し、適切な治療・処置を行うことが必要です。
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