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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

小児版の機能強化型訪問看護ステーション創設を―日看協要望

2015.7.14.(火)

 小児版の「機能強化多型訪問看護ステーション」を診療報酬で評価するなど、ライフステージに応じた訪問看護提供体制を拡充すべき―。2016年度の次期診療報酬改定に向けて、日本看護協会が10日、厚生労働省保険局の唐澤剛局長に宛てて要望しました。

人生の最終段階の医療、訪問看護師による意思決定支援も評価を

 日看協は、厚労省が進める「地域包括ケアシステム」の中で、訪問看護が十分に役割を発揮し、生活の場で療養を支えて行くことが重要とし、次期改定に向けて次の3点を要望しました。

(1)ライフステージに応じた訪問看護提供体制の拡充

(2)機能強化型訪問看護ステーションの設置促進や訪問看護周辺業務の効率化支援

(3)医療機関と訪問看護ステーションの連携により、退院後の在宅療養や外来通院時における切れ目ない支援体制の構築

 (1)では、年齢や疾患にかかわらず、住み慣れた地域や家庭的な環境の下で療養を継続できる体制を構築するために、▽小児版の機能強化型訪問看護ステーションの創設▽特別養護老人ホームなどへの外部から訪問看護を行える対象の拡大▽意思決定支援療養費(仮称)の創設―を求めています。

 小児版の機能強化型訪問看護ステーションは、利用者総数に占める小児の割合が一定以上で、かつ外部に向けた小児訪問看護の講習会や研修の実績を持つもの。

 全国訪問看護事業協会の調べでは、18歳以下の利用者がいない訪問看護ステーションが全体の47.4%と半数近くを占めており、重症度の高い小児が在宅療養へ移行することはなかなか難しいのが実際です。そこで、小児版の機能強化型訪問看護ステーションを経済的に評価することで、重症度の高い小児の円滑な在宅療養を促す環境を整備し、結果としてNICUの長期入院を是正できると期待されます。

 日看協は、あわせて「機能強化型訪問看護ステーションの算定要件である「ターミナルケア療養費(加算)の件数に読み替えて評価する」ことも求めています。

 また「意思決定支援療養費」(仮称)は、人生の最終段階における医療提供内容について、訪問看護師が主治医と連携し、利用者・家族などの意思決定支援を行ったり、関係者との調整を行うことを評価するものです。「自宅での看取り」を推進していく上では、訪問看護師の役割は今後ますます重要になってくると予想されます。

機能強化型訪問看護ST、看取りのカウント方法見直しを

 (2)では、▽機能強化型訪問看護ステーションの要件緩和▽訪問看護における「事務所地体制強化加算」(仮称)の創設▽訪問看護の24時間体制の拡充―を要望しています。

 機能強化型訪問看護ステーションを届け出るためは、現在、看取りの実績が必要です(機能強化型Iでは20件以上、機能強化型IIでは15件以上)。

 しかし、ここで「看取り」にカウントされるのは、訪問看護ステーション自身がターミナルケア療養費(加算)を算定したケースに限られ、例えば、連携先の医師が「在宅がん医療総合診療料」を算定している場合には、そのステーションがターミナルケアを行った場合でも、ターミナルケア療養費(加算)を算定できず、看取り件数にカウントされません。これは、在宅がん医療総合診療料に訪問看護の療養費が含まれているためです(医療機関が訪問看護ステーションに療養費相当を支払います)。

 日看協は、「こうしたケース(療養費の算定につながらないケース)でも、訪問看護が看取りにおいて果たす役割は大きい」として、在宅がん医療総合診療料を算定する医師や、看取り介護加算を算定する認知症グループホームなどと連携して看取りを行った場合でも、「看取り実績」にカウントするよう要望しています。

末期がん患者に対する医療機関と訪問看護との連携評価を

 (3)では、退院後の在宅療養や外来通院時に切れ目ない支援を行うことが、円滑な在宅復帰の推進につながるとの考えから、次のような要望を行っています。

▽訪問看護師が、必要に応じて末期がん患者の外来受診に同行して医療機関と情報共有し、さらに医療機関と訪問看護師が連携して指導・支援を行うことを「外来受診時共同指導加算」(仮称)として評価する

▽訪問看護師が、在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する医療機関の医師・看護師と、カンファレンスや外来受診・患家への訪問同行などによって連携し、褥瘡ケアに当たることを「褥瘡管理共同指導加算」(仮称)として評価する

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