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MRIや酸素ボンベなど対象に、「消費税の見える化」に向けた調査―四病協

2015.7.24.(金)

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で組織される四病院団体協議会(四病協)は22日、MRIや酸素ボンベ、医師事務作業補助体制加算など13項目を対象に「消費税の見える化」に向けた調査を行うことを発表しました。

診療報酬における「仕入税額」相当の見える化が可能か

 消費税は最終消費者が負担することが原則ですが、保険診療に対する消費税については、1989年の消費税導入時に「非課税」とすることが決まりました。最終消費者である患者の負担を軽減することが狙いです。

 ところで、医療機関は材料や建築などにかかる「仕入れ」に対する消費税は支払っているため、収入の大部分を占める保険診療に対する消費税を患者から受け取れないことは、経営的に大きな打撃を受けることになります(いわゆる損税、控除対象外消費税)。また、非課税の場合、消費税法上、医療機関が負担している消費税分の償還(いわば還付)を受けることも認められません。

 この点は財務省も消費税の導入当初から認識しており、医療機関の負担軽減・解消を目的とした特別の診療報酬プラス改定で対応することとしています。

 しかし、医療機関側は「プラス改定は消費税すべてを賄っていない」「プラス改定は結果的に患者負担増を招く」などとして、「税制の中での抜本的な解決」を求めています。例えば、保険診療に対してゼロ%の消費税を課税(ゼロ税率)すれば、患者の負担は増加せず、しかも課税されているため消費税負担分の償還を受けることができ医療機関の損税も解消できます。

 これに対し昨年12月の与党税制改正大綱では、医療に係る消費税について「関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ抜本的な解決に向けて適切な措置を講ずることができるよう、個々の診療報酬項目に含まれる仕入れ税額相当額分を『見える化』することなどにより実態の正確な把握を行う」ことが打ち出されました。

 四病協は今般、この「診療報酬項目に含まれる仕入税額相当分の見える化」が可能かどうかを含め、会員病院を対象に追跡調査を行うことを決めています。もっとも診療報酬の項目は膨大なため、調査は13項目に絞り、また各組織の会員20病院程度を対象に行うこととなりそうです。日本病院会の堺常雄会長は、会見の中で「代表的な調査項目」として次の5つを紹介しました。

(1)MRI(本体価格だけでなく、メンテナンス費用なども含む)

(2)医師事務作業補助体制加算

(3)脳血管疾患等リハビリテーション料

(4)酸素ボンベ加算

(5)看護職員夜間配置加算

 ただし、この調査によって仕入税額相当分がきちんと把握できるのか、また調査結果から保険診療に係る消費税の在り方を議論できるのか、などは明確になっておらず、調査結果を見た上であらためて基本的な議論が行われる見込みです。

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