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15年4月末の一般病床利用率は79.1%、3か月連続の低下―病院報告

2015.8.5.(水)

 一般病床の利用率が下がり続けています。厚生労働省が4日に発表した病院報告では、2015年4月末における一般病床の利用率は73.2%で、1月から下がり続けていることなどが分かりました。

 例年、同じ傾向にあるとはいえ、平均在院日数の短縮に集患などが追い付いていない状況が浮き彫りになっています。

一般病床の平均在院日数は16.4日に

 病院報告は、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率―を毎月集計するものです。15年4月の状況を見てみましょう。

 (1)の1日平均患者数は、病院全体では入院125万9106人(前月比1万4623人、1.1%減)、外来138万8272人(同223人、1.1%増)と、入院・外来とも増加しました。診療所の療養病床では入院6879人(同78人、0.0%減)となりました。

 このうち病院の一般病床に絞ると、入院患者数は67万1247人で、前月に比べて1万2617人・1.8%減少しています。また、病院の療養病床における入院患者数は29万3850人で、前月に比べて1478人・0.5%減少しました。

2015年4月、病院の入院患者数は大きく減少、外来患者数も微減

2015年4月、病院の入院患者数は大きく減少、外来患者数も微減

 (2)の平均在院日数を見ると、病院全体では29.0日で、前月からの変化はありません。病床種別に見ると、▽一般病床16.4日(前月比0.2日減)▽療養病床153.1日(同0.4日増)▽介護療養病床300.4日(同1.0日増)▽精神病床266.8日(同2.3日増)という状況です。また、有床診療所の療養病床は97.6日(同1.5日減)となりました。

2015年4月の平均在院日数、前月から短縮傾向にあり、一般病床では0.2日短縮して16.4日となった

2015年4月の平均在院日数、前月から短縮傾向にあり、一般病床では0.2日短縮して16.4日となった

 在院日数の短縮は、医療費の効率化や、院内感染リスクの解消やADL低下の防止など医療の質の向上につながるため、政府の重要政策の1つに位置付けられています。ただし疾患の季節変動や患者構成も変化するため、暦月ごとの変動も大きく、長期的な視点で見る必要があります。

 最後に(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では79.1%で、前月に比べて0.2ポイント低下しました。今年1月(79.9%)から2月(79.5%)にかけて0.4ポイント減、2月から3月(79.3%)にかけて0.2ポイント減、3月から4月(79.1%)にかけて0.2ポイント減と、3か月連続して低下していることが分かります。

 病床種別に見ると、一般病床73.2%(同0.3ポイント低下)、療養病床88.9%(同0.3ポイント低下)、介護療養病床92.3%(同0.0ポイント低下)、精神病床86.3%(同0.3ポイント上昇)となっており、やはり前月からの減少が目立ちます。一般病床では、今年1月(74.5%)から2月(73.7%)にかけて0.8ポイント減、2月から3月(73.5%)にかけて0.2ポイント減、3月から4月(73.2%)にかけて0.3ポイント減となっており、減少幅が大きく、かつ連続した低下となっています。一般病床の利用率は今年に入ってから1.3ポイント低下しました。

2015年4月の月末病床利用率、全体や一般病床では3か月連続で低下しており、一般病床では今年に入り1.3ポイント低下した

2015年4月の月末病床利用率、全体や一般病床では3か月連続で低下しており、一般病床では今年に入り1.3ポイント低下した

 平均在院日数の短縮は、患者数の減少、つまり病床利用率の低下、さらには減収に繋がります。このため、地域の医療機関との連携を強化したり、救急患者の受け入れを進めるなどの集患対策や、場合によっては病床規模の縮小や機能転換などの多角的な対策が求められます。

 1月から病床利用率が低下する状況は例年のことではありますが、病床利用率の低下は好ましい状況ではありません。早急に集患対策の強化や、病床規模の再検討などを進める必要があるのではないでしょうか。

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