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自己採血できない人は、検体測定室でなく、医療機関で検査を行うべき―厚労省

2015.8.6.(木)

 検体測定室において採血を行う際、「指先の穿刺」「血液の絞り出し」以外は医行為に該当しないが、受検者の手や指に傷病などがあって看護師などが介助を行った場合には医療法などに抵触する恐れがあるので、自己採血できない人には「医療機関での検査を行う」よう説明すべきである―。このような見解を厚生労働省が5日に明確にしました。

「指先の穿刺」「血液の絞り出し」のみが医行為だが

 安倍内閣が6月30日に閣議決定した「日本再興戦略」改訂2015では、医療イノベーション推進の一環として「予防医療ビジネスの推進」が掲げられ、厚労省に対して次のような取り組みを行うよう要請しています。

▽医療機関ではない検体測定室における利用者自身による一連の採血行為について、看護師等が利用者に対し、医行為に該当しないものとして介助することができる部分を明確化することとし、速やかに所要の措置を講ずる

 例えば企業などが検体測定室を設置し、そこで利用者自身が採血を行い、血液を検査して、自身の健康状態を把握する―。このようなビジネスを進める際に、医療法や医師法との関係をあらかじめ明確にしておく必要があるためです。

 厚労省は2013年6月14日に閣議決定された「日本再興戦略」の要請を受け、検体測定室について都道府県知事の登録を不要とする一方で、「検体測定室に関するガイドライン」(14年4月)を定めました。ガイドラインでは、▽当該施設内で検体の採取・測定を行う▽検体の採取や採取前後の消毒・処置を受験者自らが行う―ことが大前提とされています。

検体測定室では、受検者自らが採血などを行うことが必要である(検体測定室に関するガイドラインから抜粋、その1)

検体測定室では、受検者自らが採血などを行うことが必要である(検体測定室に関するガイドラインから抜粋、その1)

検体測定室では、受検者自らが採血などを行うことが必要である(検体測定室に関するガイドラインから抜粋、その2)

検体測定室では、受検者自らが採血などを行うことが必要である(検体測定室に関するガイドラインから抜粋、その2)

 今般の要請は「看護師などが介助できる部分の明確化」であるため、厚労省は「検体測定室における採血行為」のうち、どこが医行為に該当するのかを明確にしました。

 検体測定室では、次のような手順で採血行為が実施されます。

(1)手指の血行促進

(2)指先の消毒

(3)指先の穿刺

(4)血液の絞り出し

(5)血液の採取

(6)傷口の手当

 厚労省はこのうち(3)の「指先の穿刺」と(4)の「血液の絞り出し」が医行為に該当するとし、医療機関に該当しない検体測定室では「看護師などの有識者を含めて、受検者の代わりに当該行為を行うことができない」ことを明確にしました。受験者自身が行うことが必要です。

 また、それ以外の行為は医行為ではないため「看護師などの有資格者でなくても、受検者の介助などを行うことができる」としましたが、受検者の手や指に傷病などがあり、看護師などの有資格者などが手指に触れ、介助などをした場合には医療法や医師法に抵触する恐れがあります。

 このため厚労省は、「検体測定室での検査は、受検者の自己責任の下、自ら検体(血液など)の採取ができる人を対象として想定している」とし、自己採血ができず、看護師などの介助が必要な人については、「医学的管理の下、医療機関で検査を行うよう説明してほしい」と検体測定室の運営責任者に要請しています。

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