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2015年の臓器移植希望登録者、心臓と腎臓で前年に比べて100名超の増加―厚労省

2015.12.9.(水)

 2015年11月2日時点の臓器移植希望登録者数は心臓442名、肺264名、心肺同時4名、肝臓353名、腎臓1万2561名などとなっており、また2014年度には52名の脳死患者から臓器提供が行われた―。このような状況を、塩崎恭久厚生労働大臣が8日、国会に報告しました。

心臓442名、肺264名、肝臓353名、腎臓1万2561名が移植希望

 臓器移植法が1997年に成立する際、国会は「厚生労働大臣は、参議院厚生労働委員会で臓器移植等の実施状況を報告する」旨の附帯決議(政府に課せられた努力義務規定)を行いました。厚生労働大臣は、これに基づき毎年、臓器移植の実施状況を報告しています。

 まず、2015年11月2日時点の臓器移植希望登録者数は▽心臓442名(2014年9月末に比べて104名増加)▽肺264名(同31名増)▽心肺同時4名(同1名増)▽肝臓353名(同35名減)▽腎臓1万2561名(同188名増)▽肝腎同時15名(同増減なし)▽膵臓51名(同7名増)▽膵腎同時151名(同1名増)▽小腸5名(同1名増)▽肝小腸同時0名(同1名減)―という状況です。

 また、2015年9月末時点の眼球(角膜)移植希望登録者数は、1972名です。

2014年度の移植実施は心臓35名、肺30名、肝臓45名など

 これに対し2014年度には、52名の脳死者から臓器提供が行われ、心停止後の提供を含む臓器別の移植実施数などは次のようになりました。

▽心臓:35名(うち脳死者からの提供は35名)、移植実施は35件(同35件)

▽肺:30名(同30名)、移植実施は36件(同36件)

▽肝臓:45名(同45名)、移植実施は49件(同49件)

▽腎臓:78名(同47名)、移植実施は144件(同92件)

▽膵臓:30名(同29名)、移植実施は30件(同29件)

▽小腸:0名(同0名)、移植実施は0件(同0件)

 また、1997年の臓器移植法施行から2015年10月末までに実施された臓器別の移植件数などは次のようになっています。

▽心臓:257名(同257名)、移植実施は257件(同257件)

▽肺:224名(同224名)、移植実施は272件(同272件)

▽肝臓:284名(同284名)、移植実施は304件(同304件)

▽腎臓:1646名(同319名)、移植実施は3044件(同627件)

▽膵臓:237名(同233名)、移植実施は236件(同233件)

▽小腸:13名(同13名)、移植実施は13件(同13件)

 なお、眼球(角膜)については、2014年度に880名(同24名)から提供され、移植実施は1419件(同41件)となりました。臓器移植法からの累計提供者は1万7105名(同143名)で、 移植実施は2万7708件(同271件)という状況です。

15歳未満の小児からの臓器提供は累計で8名に

 また、2010年の改正臓器移植法(家族の書面での承諾に基づく臓器提供を可能とするなど)の全面施行から、2015年10月31日までに臓器提供が行われた脳死者は261名です。このうち、本人の書面による意思表示がなく家族の書面による承諾に基づく提供は192名となっています。

 さらに2015年10月31日現在、18歳未満の人からの脳死下での臓器提供は10名、うち15歳未満の小児は8名です。

移植した臓器の生着率や患者の生存率、臓器でばらつきあり

 さらに、移植後の生存率と生着率(体内で機能している)を見てみると、臓器別に大きなばらつきがあります。

臓器移植法施行(1997年)からの移植結果

臓器移植法施行(1997年)からの移植結果

 なお、腎臓・膵臓では臓器の生着率は75%程度にとどまりますが、代替医療(例えば人工腎臓)の進歩も手伝い、移植者の5年生存率は90~95%と高くなっていることがわかります。

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