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GemMed塾 看護モニタリング

2016年新年のごあいさつ

2016.1.1.(金)

新年明けましておめでとうございます。旧年中は一方ならぬご厚情を賜わり厚くお礼申し上げます。

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昨年は、大村智氏がノーべル生理学・医学賞に、梶田隆章氏がノーベル物理学賞に輝き、日本中が沸き立ちました。さらに、油井亀美也氏が日本人10人目の宇宙飛行士として国際宇宙ステーション(ISS)に5か月間滞在し、日本の無人物資補給機「こうのとり」をロボットアームでつかまえることに成功するなど、同じ日本人が人類に大きく貢献したことに誇らしさを感じる年でした。ただ、欧米諸国がテロの被害に見舞われ、移民の排斥を求める極右政党が支持を広げるなど、世界的に混沌(こんとん)とした1年間でもありました。

さて、わが国の医療界に目を向けると、各都道府県が地域医療構想の策定に着手するなど、医療提供体制の再編は待ったなしの状況です。日本は、人口に対する病院と急性期病床の数が世界一多いことで知られています。それだけに、医療提供体制の再編はシビアな内容になると予想されます。

病院の統合・集約化は既に始まっています。地域住民の生命と健康を守り、自らの存在意義を確固たるものにするため、全国の医療機関や介護施設にとって“シームレスなケア”を提供できる体制の整備は避けられない課題です。これから先、病院は単独(スタンドアローン)では生きてはいけません。GHCは、“医療機関同士”の連携・統合を通じて「医療の質」を最大化するだけでなく、医療提供体制の「効率性」の向上も強力に支援して参ります。

本格的な少子高齢社会の到来をにらみ、財政健全化の流れも本格化しています。政府は、社会保障費の伸びの抑制を財政健全化の“本丸”と一貫して位置付けていて、昨年4月には介護報酬が9年ぶりに引き下げられました。また、来年度の予算編成において、診療報酬を名目上、全体で1.03%引き下げることが決まりました。本体部分は0.49%のプラスですが、薬価・材料価格は通常の市場拡大再算定も併せて1.52%引き下げるという厳しい内容です。

こうした流れはこれから先も続く可能性が高く、大きな収益増が見込めない以上、病院にとってはコストマネジメントの重要性がより高まります。コストマネジメントの価値を高める上では、病院単独による経費削減のような取り組みだけでなく、病院同士の連携・統合も大きな要素です。こうした観点から、GHCは共同購買のスキームを活用して医療機関のコストマネジメントの支援を開始しました。

わたしたちが描くイメージは、コストの最適化を目指す従来のGPOからさらに踏み込んで、「医療の価値」(質/コスト)を追求しながらコストの最適化を目指すValue Purchasing Organization(VPO)とも言うべきモデルです。

医療の質と病院経営の安定性をいかに向上させるか―。これこそが、GHCにとっての最大の使命です。その一環として昨年6月には、『日本医療クライシス-「2025 年問題」へのカウントダウンが始まった』(関連記事はこちら)を上梓し、日本の医療制度の現状と課題を浮き彫りにしつつ、「医療の価値」を高める道筋を考えました。
GHCは今年3月に創業12周年を迎えます。この間、われわれが経営を支援するクライアントは約280病院に増え、次世代型経営支援サービス「病院ダッシュボード」はこれまでに延べ約260もの病院にご活用いただいています。また、14年9月に誕生した医療・介護のニュースブログ「メディ・ウォッチ(関連記事はこちら)」は、1か月当たりの閲覧回数が約50万回(15年12月実績)と全国の医療・介護業界の皆さまにご愛読いただくメディアに成長しました。
現在までGHCを応援し、厳しくも温かく育ててくださった病院経営者の皆さまに心より感謝申し上げます。わたしたちは全国のクライアント病院様にさらなる価値を提供し、日本の医療の発展につながるようさまざまなチャレンジをこれからも展開して参ります。

本年もご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン
代表取締役社長 渡辺幸子

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