生涯の医療費は2566万円、70歳までに50%、70歳以降に50%を消費―厚労省が2013年度の状況を推計
2016.1.6.(水)
生涯に費やす医療費は1人当たり2566万円で、そのうち半分を70歳未満で、半分を70歳以上で消費する―。このような推計を厚生労働省が12月28日に発表しました。
これは2013年度の年齢階級別1人当たり医療費をベースに、2013年の人口(簡易生命表に基づく)を適用して推計したものです。
男女別に見ると、平均寿命の長い女性では70歳以上に53%の医療費を消費し、男性では70歳以上に46%の医療費を消費している計算です。
厚労省は、医療保険に関する基礎資料を整理・公表しており、今般、最新版(2013年度)の状況を示しました。
まず2013年度の国民医療費を見ると40兆610万円で、前年度に比べて2.2%増加しました。人口1人当たりで見ると31万4700円です。
このうち75歳以上の後期高齢者医療費は14兆1912億円で、前年度に比べて3.6%増加し、国民医療費の35.4%を占めています。
また2013年度の国内総生産(GDP)は483兆1103億円で、GDPに占める国民医療費の割合は8.29%となりました。今から1985年(昭和60年度)には、GDPに占める国民医療費の割合は4.85%でしたので、およそ30年間で3.44ポイント増加した格好です。
次に生涯に消費する1人当たりの医療費を推計すると2566万円で、男性は2443万円、女性は2695万円となっています。2013年度の年齢階級別1人当たり医療費をベースに、2013年の人口(簡易生命表に基づく)を適用して推計しています。
年齢別に見てみると、全体では70歳までに医療費の50%を消費し、70歳以降に50%を消費していることが分かります。
これを男女別に見ると、平均寿命の長い女性では70歳までに医療費の47%を、70歳以降で53%の医療費を消費しています。
一方、平均寿命の短い男性では70歳までに医療費54%を、70歳以降で46%の医療費を消費しています。
このように70歳以降、特に75歳以上の後期高齢者で医療費の消費量が多くなっていることが分かります。1人当たり診療費で見ると、後期高齢者(91万6000円)は若人(20万5000円)の4.5倍となっており、入院では6.7倍(後期高齢者が45万6000円、若人が6万8000円)、外来では3.6倍(後期高齢者が42万8000円、若人が11万8000円)となっています。
後期高齢者で医療費の消費量が多い理由と、医療費の3要素(受診率、1件当たり受診日数、1日当たり診療費)で見ると、次のようなことが分かりました。従前と同じ傾向です。
▽入院では、受診率が6.3倍、1件当たり受診日数が1.4倍、1日当たり診療費が0.8倍
▽外来では、受診率が2.4倍、1件当たり受診日数が1.3倍、1日当たり診療費が1.2倍
つまり受診率の高さが、後期高齢者の医療費を高める主因となっているのです。医療費の伸びを適正な水準に抑えるためには、この点に着目した対策が必要となります。
なお、年齢階級別に1人当たり医療費と自己負担額・保険料を比較すると、20歳代から50歳代までは「自己負担額・保険料>医療費」となっていますが、60歳代からは「医療費>自己負担額・保険料」に逆転することが分かります。
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