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患者と輸血製剤の認証システムの適切な使用などで、誤輸血の防止徹底を―医療機能評価機構

2016.1.22.(金)

 輸血をする際に、誤った患者に輸血してしまった―。このような事例が、2007年7月から2015年11月にかけて17件報告されていることが、日本医療機能評価機構の調査で明らかになりました。

 これは機構が毎月発行している「医療安全情報」のNo.110で公表されたもので、誤った輸血を防ぐために、機構では、「患者と製剤の照合に用いる認証システムを適切に使用することが重要」と指摘しています。

「患者と製剤の照合は、投与直前に患者のそばで行う」ことが必要

 ある医療機関では、患者Aに赤血球濃厚液-LR(RCC-LR(A型))を輸血するところ、誤ってRCC-LR(AB型)を投与してしまいました。RCC-LR(B型)は、別の患者Bに輸血すべき準備されていたものです。その際の状況は、次のようなものです。

▽輸血部から患者A用のRCC-LR(A型)が届いた際、医師が伝票と製剤を照合し、開始入力(患者と製剤の照合)を行った

  ↓

▽患者Aが新鮮凍結血漿(FFP)を輸血中であったため、医師は、看護師(X)にRCC-LRを保冷庫に保管するよう伝えた

  ↓

▽看護師(X)はベッド番号を記入したトレイにRCC-LR(A型)を入れ保冷庫に保管し、「開始入力済」であると別の看護師(Y)に申し送りをした

  ↓

▽看護師(Y)は、RCC-LRを準備する際にトレイの番号を見誤り、別の患者(B)用に準備されていたRCC-LR(AB型)を取り出し点滴棒にかけ、看護ケア中にFFPが終了することに気づき、RCC-LR(AB型)を照合しないまま接続

  ↓

▽「患者Bの輸血製剤がない」と報告があったため確認したところ、患者(A)に患者(B)用のRCC-LR(AB型)を投与してしまったことが分かった

認証システムの警告、一度手を止めて原因確認を

 また別の医療機関では、患者AにA型のFFPを投与しなければならないところ、誤ってO型のFFPを投与してしまいました。具体的な状況は次のとおりです。

▽患者A(血液型A型)にFFPが投与されていた

  ↓

▽看護師は次に投与するFFPを準備する際、冷凍庫から誤ってO型のFFPを取り出し、確認しないまま解凍機にセットした。冷凍庫の中で、A型のFFPとO型のFFPは、引き出しが上下に隣接し、残数も同じであった

  ↓

▽バーコードによる輸血認証をしたところ「血液型が異なる」というエラーが認証システムの画面上に表示されたが、看護師は「機械の故障」と思い込み、そのまま接続した

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▽輸血伝票の処理を行っていた際、輸血バッグに付いているシールの色が違うことに気づき、誤ったFFPを投与したことが分かった

 いずれの事例も「確認不足」が主な原因と言えます。

 また機構の調べでは、誤輸血事故17件のうち13件では「患者と製剤とを照合する認証システムがあったにもかかわらず、使用しなかった、または使用したが適切でなかった」ことが分かっています。特に、患者から離れた場所で認証システムを使用し、誤って別の患者のところに製剤を持っていったという事例が目立ちます。

2007年7月-2015年11月に報告された誤輸血事故17件のうち、13件では「患者を輸血製剤の認証システム」が院内に整備されていたが、「不使用」「不適切使用」であった。特に、患者から離れた場所で認証を行い、別の患者にその製剤を持って行ってしまった事例が3件ある

2007年7月-2015年11月に報告された誤輸血事故17件のうち、13件では「患者を輸血製剤の認証システム」が院内に整備されていたが、「不使用」「不適切使用」であった。特に、患者から離れた場所で認証を行い、別の患者にその製剤を持って行ってしまった事例が3件ある

 機構では、こうした事故を防ぐために、「認証システムを適切に使用する」ことはもちろん、「患者と製剤の照合は、投与直前に患者のそばで行う」「認証システムにエラーやアラートが出た際は、手を止めて原因を確認する」必要があると指摘しています。

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