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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

県立宮崎病院、手術室の運営はトップクラス 全自病学会で分析実演-薬剤管理に大きなポテンシャルあるけど…

2014.10.31.(金)

 全国自治体病院学会が30日、宮崎市内で始まり、GHC主催のランチョンセミナーで米国グローバルヘルス財団のアキよしかわ会長が、県立宮崎病院(同市)のDPCデータを「病院ダッシュボード」で分析しました。「手術分析」を使って2014年1-6月の運用状況を分析した結果、手術室は午前9時までには患者の搬入が完了し、ほぼフル稼働し始める傾向で、午後5時以降に手術が終わるケースが少ないことが分かりました。

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 また、手術を終えてから次の手術が始まるまでの時間(ターンアラウンドタイム)は30分以内に抑えられていて、手術室の稼働率は67.6%でした。これは、全病院の平均稼働率48.0%を大きく上回る値です。アキは「多くの病院では9時半から10時ごろに患者さんが搬送されるが、県立宮崎では午前9時には入室している。これは非常に素晴らしい」と評価しました。

「病院ダッシュボード」で県立宮崎病院を分析したところ、手術室の運営がトップクラスであることが分かりました

「病院ダッシュボード」で県立宮崎病院を分析したところ、手術室の運営がトップクラスであることが分かりました

 ただ、手術症例数は決して多くはなく、アキは、どのように予定手術を増やしていくかが、同病院の大きな課題だとの見方も示しました。

 一方、出来高点数の算定状況を可視化できる「チーム医療」を使った分析では、薬剤管理指導料2と3を確実に算定することで、大幅な増収を見込めることが分かりました。

 薬剤管理指導料は、薬剤師が医師の同意を得て入院患者に服薬指導業務を行うことへの評価で、週1回算定できます。同病院での算定状況を分析すると、13年4月-14年3月に指導料2、3の算定機会は最多で2万2000回以上ありましたが、実際の算定は1084回で、収入は約367万円にとどまっていました。一方、救急患者への服薬指導を評価する同管理料1の算定機会は463回ありましたが、全く算定できていません。

 ベンチマーク分析した病院のうち、薬剤管理指導料を最も効率よく算定できている病院でこのケースミックスなら、指導料2と3だけであと7300万円以上(年間)の収入を見込める計算です。アキは「これが自治体病院の弱点。『こんなことは分かっている』と言われるかもしれないけど、薬剤師など職員の採用が硬直的な自治体病院の多くではチーム医療のアドバンテージを実現できていないでいる」と話しました。

入院患者の大半は3‐4キロ圏から

 「外来分析」では、13年4月からの1年間に整形外科を受診した外来症例の単価は過半数が5000円未満で、ここでの収入は病院全体の収入の15%にとどまっていました。また、入院患者の大半が3-4キロ以内からの受診という状況です。さらに「マーケットシェア分析」では、入院患者の平均在院日数の短縮が08-13年に進んで、それに伴って県立宮崎病院の病床利用率が低下していることも分かりました。

 これらの分析結果を受けて、アキは「これが日本の病院の現実であり限界。地域の人口は減っている。その中で、多くの治療法が入院から外来にシフトしていく。そしてDPC環境下、在院日数も短縮している。将来、病院を新しくするときに何床が必要なのかを考えると、鳥肌が立つほど恐ろしい」と述べました。

ぽんすけ2020