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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

調整係数廃止の激変緩和、対象病院の「役割」把握へ DPC評価分科会

2014.11.11.(火)

 診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会は10日の会合で、従来の「調整係数」の段階的な廃止をめぐって、これによる激変緩和措置の対象になっている135病院向けに実施するアンケート調査の骨格を固めました。厚生労働省の調査実施案によりますと、各都道府県が策定する医療計画の中で、それぞれどのような役割をカバーしているのかなど医療提供体制の状況を把握します。このほか、調整係数の廃止によって、出来高分の診療報酬を含む財務状況にどれだけ影響が及んでいるのかや、各病院の人員配置の実態も調べます。

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 厚労省では、激変緩和措置を継続させるかどうか、調査結果を判断材料にする方針です。同分科会では、中央社会保険医療協議会にこの実施案を近く報告します。

 調整係数は、DPC対象病院の前年度並みの収入を担保する仕組みです。DPC制度に参加することで急性期病院の経営状況が急激に悪化するのを防ぐため、制度の創設に合わせて取り入れられましたが、「DPC対象病院を無条件に評価している」と批判的な指摘がありました。このため中医協では、18年度の診療報酬改定までにこの係数を段階的に廃止し、DPC病院群ごとの「基礎係数」と、地域医療への貢献などDPC対象病院ごとの実績を評価する「機能評価係数Ⅱ」に置き換えることを決めた経緯があります。

 この4月に実施された診療報酬改定では、12年度に続き2回目の置き換えが行われ、これで置き換え作業はちょうど半分が完了しました。

 ただ、本来の機能の割に調整係数の設定が高過ぎる病院には、置き換えによって大きな影響が及ぶ可能性があります。このため過去2回の置き換えでは、出来高分を含む診療報酬が2%を超えて増減しないよう、激変緩和措置が取られました。

 厚労省案によりますと、今回の調査は、14年度の置き換えで出来高を含む診療報酬が2%を超えて増える可能性があった82病院と、逆に2%を超えて減る恐れがあった53病院の計135病院が対象です。調査内容は、これらの病院の財務状況や人員配置、医療体制の状況のほか、激変緩和措置を受けた後に収益が増加したかどうかなどを聞きます。

 このうち医療体制では、各都道府県が医療計画の中に組み込んでいるがんや脳卒中などいわゆる「5疾病」や、救急、周産期医療など「5事業」などへの取り組み状況を把握します。例えばがん、脳卒中治療の地域連携クリティカルパスの適用患者が11年度にどれだけいたかや、同じ期間に何回、へき地に医師を派遣したかなどを聞くイメージです。

 同省の担当者は会合で、「激変緩和の対象になっている医療機関が、実際に地域でどれくらいの役割を担っているのかも把握する必要があるのではないかということ」と説明しました。

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