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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

金属同士の摺動部分あるMoM人工股関節、全置換術後の診療では学会の指針を参考に―厚労省

2016.4.8.(金)

 人工股関節の中でも「金属同士の摺動部分を持つもの」(Metal-on―Metal人工股関節、MoM人工股関節)を用いた人工股関節全置換術では、短期間での再手術が必要なケースがあるため、学会による最新情報を参考に術後合併症の診療を行う必要がある―。

 厚生労働省はこのほど、Metal―on―Metal人工股関節の製造事業者に対し、こうした内容を添付文書に盛り込むよう要請しました。医療機関でも留意が必要です。(関連記事はこちらこちらこちら

X線画像、MRIなどで異常所見あれば「再置換術」の考慮を

 Metal―on―Metal人工股関節は、摺動部分が金属同士のため、金属摩耗粉が発生します。この摩耗粉に対する生体反応と考えられる「疼痛」「腫瘤性病変(偽腫瘤)」の誘発が知られており、術後、比較的短期間で再手術が必要となるケースがあります。

 こうした状況を重く見て、日本人工関節学会は「Metal―on―Metal人工股関節全置換術合併症の診療指針」を作成しました(http://jsra.info/pdf/Metal-on-Metal.pdf)。

 これを受けて厚労省は今般、Metal―on―Metal人工股関節の製造事業者に対して添付文書の「使用上の注意」[重要な基本的注意]に、「学会の作成した診療指針など、最新情報を参考に、Metal―on―Metal人工股関節全置換術後の合併症診療を行う」旨を追記するよう指示しました。

MoM人工股関節全置換術後の診療アルゴリズム

MoM人工股関節全置換術後の診療アルゴリズム

 

 なお指針では、次のような診療アルゴリズムを示しています。

(1)X線像でインプラントの緩みがある場合:再置換術を考慮する

(2)緩みのない場合でも、X線像上でのカップ設置不良や骨溶解などがある場合:

 ▽MRIの異常所見あり・・・再置換術を考慮する(穿刺検査による感染の鑑別も参考に)

 ▽MRIの異常所見なし・・・頻回の経過観察が推奨される

(3)X線像での異常所見がなく、臨床症状がある場合:

 ▽MRIの異常所見あり・・・再置換術を考慮する(穿刺検査による感染の鑑別も参考に)

 ▽MRIの異常所見なし・・・年1回の経過観察が推奨される

(4)すべての異常所見、臨床症状がない場合:年1回の経過観察が推奨される

 ▽ARMD(adverse reaction to metal debris)の頻度が高いConserve Plus(Wright Medical、現MicroPort)、Cormet(Corin)、Ultamet(Depuy)については、MRIスクリーニングを考慮する

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