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GemMed塾 看護モニタリング

高度急性期医療を推進する県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院

2016.7.8.(金)

 医療と経営の質を両立して注目される岩手県立中央病院が、「県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院」を上梓しました。高度急性期病院の役割や各診療部門の説明を、一般市民でも分かりやすく理解できるように紹介しています。

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医療と経営の質を両立する2大テーマ、5本柱

 同院は、年間救急車受け入れ件数が盛岡保健医療圏の51%に当たる6400件(2014年実績)。「24時間365人日、救急車の受け入れを断らない」を目標に掲げ、1日17~18台弱の救急車を受け入れるため、全診療科がオンコール体制で、毎晩7~9人の医師が救急当直しています。

 一方、地域の医療機関への診療応援回数は年間3335回。1日平均9人の医師が診療応援のため不在になる計算です。

 県立病院最多の岩手県で、20ある県立病院の地域の中核病院として機能する一方、医療と経営の質の両立を目指した経営戦略「Double Winner」を策定。トップダウンとボトムダウンによるさまざまな業務改善に取り組み、経営状況は黒字で推移しています(関連記事『岩手県中央病院、累損57億円からの大改革―「医療・経営の質」高めたデータ分析』)。

 現在の同院の2大テーマは、「地域包括連携の構築」と「病院完結型医療から地域完結医療への転換」です。その実現に向けて、「高度医療」「救急医療」「地域医療支援」「研修医教育」「健全経営」の5本柱を展開しています。

一般市民目線で分かりやすく各部門を紹介

 続いて、各診療部門の特徴や医療の提供内容を解説。111ページと紙面の約9割を割いて、一般市民の興味がありそうなテーマなどを切り口に、1つひとつの部門を丁寧かつ分かりやすく紹介しています。例えば、「生命を救え!!年間300超の緊急内視鏡治療」「がんの痛みで悩ませない」「年間5000件超の手術を支えるエキスパート集団、中央手術部とは?」などのキャッチーなタイトルで引き込み、平易な文章と図解を用いて各部門のポイントを短時間で把握できる構成になっています。

 データ分析関連では「記録を情報に変え活用する!診療情報管理士とは?」と題して医療情報管理室を紹介。カルテ情報の整備方法や、DPCデータを用いたベンチマーク分析による経営改善への取り組みも紹介されています(関連記事『無駄のない深い分析へ導いてくれる、手間なく納得してもらえるデータを視覚的に』)。

 一般市民の目線で急性期病院を分かりやすく、かつ詳細に紹介している書籍は少ないのではないでしょうか。また、医療関係者にとっても、医療と経営の質を両立せる同院の紹介から学ぶべき点は多いかもしれません。

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