看護必要度、抗悪性腫瘍剤の併用で塞栓は専門的処置に含まれず―疑義解釈7【2016年度診療報酬改定】
2016.9.16.(金)
厚生労働省は9月15日、2016年度診療報酬改定に関する疑義解釈(その7)を公表しました(厚労省のサイトはこちら)。「重症度、医療・看護必要度」や1日平均入院患者数などについて、新たな解釈を示しています(関連記事一覧はこちら)。
重症度の計算、退院日は除く
看護必要度は、肝動脈化学塞栓術(TACE)など、抗悪性腫瘍剤を併用して塞栓する場合の評価について。この場合、A項目の「専門的な治療・処置」に抗悪性腫瘍剤の使用(注射剤のみ)は「含まれない」としています。「含まれる」と解釈していた病院は、要チェックです。また、C項目の「救命等に係る内科的治療」における経皮的血管内治療の選択的血管塞栓による止血術は「含まれる」となっています。
なお、看護必要度においてはこれまで、「様式10の3」の重症度報告書類では、退院日の患者を入院患者延べ数に含めるかどうかについて記載がありませんでした。しかし、16年度改定で退院患者を入院患者延べ数に「含めない」と明記されています。重症度の計算から退院日は除く必要があるので、注意が必要です。
「様式9」から「様式9の4」までの1日平均入院患者数の算出方法については、退院日の患者数は「含めない」としています。これで、退院日の患者はすべての施設基準の申請において含めないことが明確になりました。
看護職員夜間配置など加算は2つ
加算関連ではまず、「再診時の時間外・休日・深夜加算」について、小児入院医療管理料や回リハ病棟入院料などの特定入院料を算定している場合、同加算は別途、「算定できない」としました。
看護職員夜間配置加算については、同一の入院基本料を届け出ている病棟間において、傾斜配置は可能だが、すべての病棟に3人以上の配置が必要であると明記されました。特定集中治療室管理料やハイケアユニット入院医療管理料を算定しておらず、特定の病棟の人員配置を厚くして「院内ICU」としているような病院では、当該病棟の稼働率が低くなったからといって、夜勤中に他病棟にヘルプに行くと当該病棟の夜勤人数が3人を下回り、加算条件を満たさなくなるために、すべての病棟で算定できなくなります。病床数が少ない病棟であるために2人夜勤がある病院では同加算が算定できないため、病床数が少ない病棟を今のままの入院料で算定し続けるべきか検討すべきタイミングかもしれません。
目標設定等支援・管理料、再算定の基準明確に
短期滞在手術等基本料は、「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」を算定する場合、血管造影室や透視室での手術でも「算定可能」とされました。同基本料における内視鏡室での内視鏡手術を認めるのと同様に、オペをする場所は問われないという解釈です。
目標設定等支援・管理料は、医師、療法士、看護師が共同して目標設定等支援・管理シートを作成し、説明・記録することを評価したもので、3か月に1回に限り、算定が可能です。2回目の算定の際の考え方については、直近の算定日が属する月を1か月目と数えた上で、4か月目の初日以降に算定可能としました。例えば、7月1日あるいは7月25日に同管理料を算定した場合、いずれも10月1日以降、再度算定が可能となります。また、リハビリテーションを必要とする疾患が2つ以上の患者であっても、同管理料の再算定は可能です。
大動脈バルーンパンピング法(IABP法)、人工心肺、経皮的心肺補助法あるいは小児補助人工心臓を併施した場合は、1日ごとに主たるもののみの点数を算定することができます。