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「入院料除き1人1日当たり3000点以上」を高度急性期とする案が浮上―地域医療構想策定GL検討会

2014.12.25.(木)

高度急性期の基準を「入院料を除き1人1日当たり3000点以上の医療資源投入量」とする案が浮上しました。25日に開かれた「地域医療構想策定ガイドラインに関する検討会」で、厚生労働科学研究を行っている松田晋哉委員(産業医科大学医学部教授)が明らかにしたものです。

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地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会2(2014.12.25)

 

高度急性期と急性期の境界は1人1日当たり3000点とする案

検討会ではこれまでに、高度急性期と急性期の医療ニーズの推計について「入院から医療資源投入量が落ち着く段階までの患者数を高度急性期・急性期の患者数とし、そのうち医療資源投入量が特に高い段階の患者数を高度急性期の患者数とする」という方針を固めています。

検討会が25日に開いた会合では、この方針をベースに、高度急性期と急性期の境界点(C1)として、「対象が重症者に限られ、充実した人員配置等が要件となっているHCU(ハイケアユニット)等を退室する段階の医療資源投入量」としてはどうかと厚生労働省が提案しました。

また、高度急性期から急性期に移る患者の具体像として、「人工呼吸器は離脱したが、抗菌薬治療等の標準治療が必要。画像や血液検査等による評価も継続して実施する必要がある状態」を例示しています。

この「C1」境界点として、松田委員は研究の現状を基に「ざっくりとしたイメージで3000点程度」という数値を挙げました。人員配置の違いを除外するため、ここには入院基本料や特定入院料は含まれません。

この3000点に7対1入院基本料の基本点数1591点を加えると4591点となります。「社会保障・税一体改革の医療・介護に係る長期推計】」(2011年6月)では、高度急性期の定義を「1人1日当たり4400点以上」と設定しており、3年前の推計と全国ベースで大きな差は出ない模様です。

相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は「2025年に向けて地域の人口構成は大きく変わり、疾患構造も激変する。疾患ごとに見ていかなければ大きな誤ちを犯すことになる」と警鐘を鳴らしましたが、中川俊男委員(日本医師会副会長)は「疾患ごと、構想区域ごとの詳細な分析は現実問題として難しいのでは」と疑問を投げ掛けています。

 

急性期と回復期の境界は1人1日当たり1000-500点とする案

厚労省は、「急性期と回復期の境界点」(C2)と「回復期と慢性期・在宅医療等の境界点」(C3)-の考え方も提案しました。

「急性期と回復期の境界点:C2」は、「急性期における治療が終了し、医療資源投入量が一定程度落ち着いた段階における医療資源投入量」とされ、松田委員は「1000-500点程度」という数値を掲げました。厚労省が分析した255のDPCにおける医療資源投入量の推移に関するデータを見ても、多くの診断群分類では入院3日目から1000-500程度で医療資源投入量が落ち着くことが分かります。

多くの疾患では、入院2-3日に多くの医療資源投入が必要となり、その後、1000-500点程度に落ち着く

多くの疾患では、入院2-3日に多くの医療資源投入が必要となり、その後、1000-500点程度に落ち着く

中川委員は「地域では13対1、15対1でも急性期を担っている病院が少なくない。急性期と回復期の境界点となる点数は低く設定すべきだ」と要望しました。

また、境界点に位置する患者象として「抗菌薬治療等の標準治療は終了したが、経口摂取不十分や術後の体液排出のため、輸液管理や術後のドレーン管理は継続している状態」を厚労省が例示しました。

一方、「回復期と慢性期・在宅医療等の境界点:C3」については、「療養病床または在宅等においても実施できる医療やリハビリテーションの密度における医療資源投入量」とされ、「輸液管理や術後のドレーン管理が不要となり、定期薬以外の治療は終了」した患者が、回復期と慢性期等の境界に位置すると例示されました。

ただし相澤委員は「回復期と慢性期との線引きは非常に難しい。あわてて線引きをせず、データを収集してから、慎重に設定すべきではないか」と提案しています。

 

委員の疑問・懸念に応える案を次回以降提示へ

また、検討会ではこれまでに、慢性期機能の医療需要と在宅医療等を受ける患者については一体の医療需要ととらえ、そのうち、どの程度の患者を慢性期機能の病床で対応し、在宅医療で対応するかについては、医療資源投入量とは別の指標(療養病床の入院受療率等)により設定するという考え方も概ね固めています。

厚労省は、この考え方を発展させ、慢性期と在宅医療等の需要推計を次のように考えてはどうかと提案しました。

●在宅医療等へ移行する患者数については、在宅医療の充実等により、「現在では療養病床で入院している状態の患者は、2025年には在宅医療等での対応となる(療養病床の入院受療率の低下)もの」として推計する

●現状、療養病床の入院受療率には地域差があることから、この差を補正していくこととするが、地域の在宅医療や介護施設等の整備の見込みなどを踏まえて、地域が一定の幅の中で補正する目標を設定することを可能とする

後者については、地域差の補正に関する具体案も提示されています。

地域における療養病床への入院受療率を補正するための目標設定について、厚労省が2案を提示

地域における療養病床への入院受療率を補正するための目標設定について、厚労省が2案を提示

この提案に対して武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は「療養病床には、多くの人工呼吸器装着患者が入院しており、容易に在宅移行できない。療養病床と在宅医療を一体と考えることがそもそも妥当なのだろうか」「入院受療率のみに着目しているが、療養病床の少ない地域では、療養病床の役割を一般病床が担っている。そうした点も考慮してはどうか」との見解を示しています。

厚労省医政局の佐々木昌弘・医師確保等地域医療対策室長は、「委員の疑問や懸念は出尽くしたと感じている。今後、こうした疑問・懸念に応える案を提示しなければならない」と会合後にコメントしており、次回以降に、「都道府県が推計を行うための具体案」が提示される模様です。なお、この具体案の中に、上で述べた「高度急性期は3000点以上」といった数値が盛り込まれるか現段階では不透明です。

 

高度急性期15万床、急性期44万床との報告(14年速報値)

厚労省はこの日、「病床機能報告制度における機能別病床数の報告状況」(速報値)も明らかにしました。それによりますと、全国の医療機関から報告があった2014年7月1日時点での医療機能ごとの病床数は、高度急性期15万3052床(全体の16.4%)急性期43万9167床(同47.0%)▽回復期8万5300床(同9.1%)▽慢性期25万6957床(同27.5%)-となりました。療養病床のうち1554床が「急性期」である旨を報告しています。

2014年7月の病床機能報告状況(速報値)、高度急性期は15万床、急性期は44万床

2014年7月の病床機能報告状況(速報値)、高度急性期は15万床、急性期は44万床

また、6年後の20年時点での医療機能ごとの病床数は、▽高度急性期15万9689床(全体の17.1%)▽急性期41万6877床(同44.5%)▽回復期11万731床(同11.8%)▽慢性期24万9056床(同26.6%)-となっています。ここでも、2581床の療養病床が「急性期」と報告しています。

6年が経過した後の病床機能、高度急性期・回復期がやや増加している

6年が経過した後の病床機能、高度急性期・回復期がやや増加している

2025年に予定している病床機能(任意報告)

2025年に予定している病床機能(任意報告)

佐々木室長は「臨床現場では『回復期』のイメージが沸きにくいようだ」と述べており、具体像の提示に意欲を見せています。

(小見出し)
都道府県は統一フォーマット用いて病床機能情報を公表

報告された病床機能情報は「厚生労働省の定めるところにより公表する」こととなっています(改正医療法第30条の13第4項)。

検討会では公表方法についても議論することしていましたが、病床機能情報の集計作業が完了していないため、具体的な公表項目などはあらためて議論することになりました。ただし、都道府県は公表にあたり(1)原則として統一フォーマットを用いる(2)患者・住民に分かりやすくするための工夫を凝らす(3)個人情報に配慮する(4)毎年度、集計ができ次第速やかに公表する-という基本方針を確認しています。

なお、(1)の統一フォーマットについて厚労省は、病床機能報告制度を分かりやすく説明した後に、「都道府県における病床の現状」>「二次医療圏における病床の現状」>「各病院の現状」という階層を設ける考えです。