【介護報酬改定2015総点検(2)】定期巡回・随時対応サービス、より使いやすい報酬体系に
2015.1.6.(火)
12年度から始まった新サービス「定期巡回・随時対応サービス」でも大きな見直しが予定されています。
定期巡回・随時対応サービスについては、事業所による参入を促すとともに、複数のサービスを包括的に評価するため高い基本報酬が設定されています。しかし、介護保険制度では要介護度別に1か月当たりの保険給付利用上限(区分支給限度基準額)があるため、高い基本報酬はかえってほかのサービスの利用を難しくしてしまいます。これが定期巡回・随時対応サービスの利用が進まない一因とも指摘されます。
そこで厚労省は、定期巡回・随時対応サービスなどの包括型サービスについて、次のような見直しを提案しています。
●利用者の生活全般に着目し、日ごろから主治医や看護師、ほかの介護事業者など多様な主体と適切に連携するための体制構築を行っていることから、これらの体制整備のコストを「総合マネジメント体制強化加算」(仮称)として基本報酬から便宜的に切り離す
●「総合マネジメント体制強化加算」(仮称)を区分支給限度基準額の対象外とする
この見直しで定期巡回・随時対応サービスが区分支給限度基準額に占める割合が少なくなりますが、「総合マネジメント体制強化加算」(仮称)の単位数によって、選択肢の広がり具合が変わってきますので、その点も注目ポイントの1つでしょう。
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在宅の高齢者向けのリハビリテーションの取り扱いでも大きな見直しが予定されています。現在の高齢者リハには「身体機能訓練に偏っている」「柔軟なリハを行える報酬体系になっていない」といった課題が指摘されており、活動・参加をより重視した2つの見直しが提案されています。
(1)質の高いリハビリ実現のためのマネジメントの徹底(生活期リハビリマネジメントの再構築)
(2)リハビリ機能の特性を生かしたプログラムの充実(生活機能に焦点を当てたアプローチの強化)
(1)は、「医師による通所・訪問リハ計画の説明と同意の徹底」や「多職種によるリハビリテーションカンファレンス機能の強化」「リハビリ提供の行程管理を徹底するためのプロセス確認票の導入による、プロセスの明確化と共有」などがメーンです。
(2)では、新たに3つのリハ報酬体系の創設が提案されています。
●個別リハビリを「退院(所)間もない者に対する『個別短期集中リハ(』仮称)」として機能を統合する(自己訓練と個別短期集中リハビリの一体的提供・再編)
●認知症高齢者に対するリハビリを「認知症の特徴に合わせた『認知症短期集中リハ』(仮称)」として機能を見直す
●生活機能の向上に焦点を合わせた新たな「生活機能向上リハ」(仮称)の仕組みを導入する