「地域包括ケア病棟は最大で最強の病棟」、2年後に5000病院の導入も
2015.2.12.(木)
「地域包括ケア病棟協会」の仲井培雄会長(芳珠記念病院理事長)は12日、東京都内で記者会見し、2014年度の診療報酬改定で新設された「地域包括ケア病棟」を導入する病院が、2-3年後に現状の3-5倍の3000-5000病院になるとの見通しを示しました。中井会長は、全国各地で今後、医療提供体制の再編が進む中、地域包括ケア病棟は医療・介護の需要と供給に順応しやすい「最大で最強の病棟」だとの認識を示しました。
同協会によると、15年1月時点での地域包括ケア病棟の届け出数は1089病院(関連記事『地域包括ケア、一般病棟から病床単位での移行が60%と最多』)。病床数ベースでの届け出状況を公表していない自治体もあるため、全容は把握できませんが、「病床数は推定3万床と見ている」としています。
仲井会長は当初、15年1月の時点で「1500病院の届出があると予測していた」といい、実際にはこの予想を若干、下回るペースで推移していることになります。しかし、地域医療構想を策定する上で都道府県が参考にする「地域医療構想(地域医療ビジョン)」のガイドラインが近く取りまとめられることに加えて(関連記事『地域医療構想ガイドライン「2月中旬にも策定」 自民・武見氏』)、地域包括ケア病棟は、病院のタイプや病床規模を問わず幅広く「未来の医療提供体制の姿に順応しやすく懐が深い」(仲井会長)病棟なため、今後2-3年で導入病院が急増するとみています。
仲井会長はまた、10日付で就任した新役員12人を発表しました。副会長に全日本病院協会副会長で寿康会病院(東京都)の猪口雄二理事長、盛岡市立病院の加藤章信院長の2人、幹事に砂川市立病院(北海道)の小熊豊砂川市病院事業管理者ら5人、顧問に全国自治体病院協議会の邉見公雄会長、参与に診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会会長で東邦大学医学部の小山信彌特任教授ら4人です(詳細はこちら)。
新執行部のスタートを受けて、仲井会長は「公的・民間、急性期・慢性期共にバランスの取れた役員がそろった。今後はさまざまな提言を行っていきたい」と今後の抱負を語りました。
地域包括ケア病棟協会は14年5月に設立され、(1)急性期、慢性期を問わず全国の医療機関や関係者と協調して地域包括ケア病棟を充実(2)地域包括ケア病棟に従事する職員のレベルアップに向けた教育・研修の実施(3)地域包括ケア病棟に関係する医療者、有識者等の情報交換を実施―の3事業を軸に活動しています。2月12日現在、273病院(詳細はこちら)が参加しています。