DPCのII群、地域で重要な機能・役割を果たす病院がなるべき―厚労省の佐々木企画官
2015.4.28.(火)
厚生労働省保険局医療課の佐々木健企画官はメディ・ウォッチ編集部に「DPCのII群には、地域で重要な役割を担っている病院がなるべきだ」との考えを強調しました。さらに佐々木企画官は、「『この病院は地域で基幹的な役割を担っている。』と都道府県が考えているのであれば、その点を協議し、II群病院として評価することが妥当ではないか」との考え方も示しました。
メディ・ウォッチでは、「DPCのII群病院は高度急性期を担う」という見出しの記事を27日付で掲載しましたが、この記事の内容を受けて佐々木企画官から「意図するところを説明したい」との要請があり、説明を受けました。
佐々木企画官はまず「DPCのII群は高度急性期を担う」という発言は、個人的な見解であると説明。
その上で、「まず都道府県が、地域のどの病院にどういう機能・役割を果たしてほしいかを決めていただきたい。それが例えば高度急性期であり『重要な役割を担っている』ということならその点を協議し、DPCのII群として評価するのが好ましいのではないか」との考えを強調しました。
また、地域医療構想における「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」は病棟単位で設定するものですが、DPC病院のII群は病院単位で決まります。この点について、「病棟単位」と「病院単位」との視点の違いがあるとの考えも示しました。
また、「精神病床のないI群病院など、機能評価係数IIで対応へ―DPC評価分科会が方針」という27日付の記事では、次回の診療報酬改定に向けて「精神病床がないII群病院についても機能評価係数IIでの対応を検討する」と紹介しました。
この点について佐々木企画官は、「II群においても、診療密度などの基準こそ満たしているが、地域で重要な機能・役割を担っているとは言い切れない病院もあるかもしれない。そうした点に着目して機能評価係数IIで対応することを検討してはどうか」との考えを説明しました。
I群において「精神病床の有無」に着目した理由の1つとして「きちんと確認できる指標である」点が挙げられます。「様式1」などに項目を追加して確認することになれば、DPC病院側の負担が増します。そのため、簡便に確認できるものを指標としているのです。
佐々木企画官は「適切に確認できる別の指標」がDPC評価分科会の議論で提示されれば、それも検討することになるだろう」と説明しています。
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