中医協・鈴木委員、大病院の“独り機能分化”に危機感―「地域連携妨げかねない」
2015.5.14.(木)
中央社会保険医療協議会の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は13日の診療報酬基本問題小委員会で、大規模な急性期病院による単独での機能分化が、地域内の医療連携を妨げかねないとの危機感を表明し、診療報酬上の適切な対応を求めました。
この日了承した入院医療等の調査・評価分科会の調査スケジュール=図表=や審議テーマに対する認識を示したもので、鈴木委員は基本小委の会合の席上、一部の大規模な急性期病院が2014年度の診療報酬以降、単独で機能分化を進めていると指摘。「入院医療の機能分化と連携には、病院内の機能分化ではなくて病院ごとの機能分化が必要」などと述べ、特定集中治療室管理料と地域包括ケア病棟入院料の両方を算定している病院がどれだけあるかなど実態の把握を求めました。
厚労省保険局の宮嵜雅則医療課長が「議論に資するようなデータを出せると思う」と応じると、鈴木委員は「大病院は、ケアミックス化ではなくて高度急性期や急性期に特化していかないと、本来の趣旨である機能分化は進まない」と診療報酬上の配慮を求めました。
この日の基本小委では診療側の中川俊男委員(日医副会長)が、「経済財政諮問会議や財政審(財政制度等審議会)が診療報酬改定の具体的な項目に言及することは中医協に対する圧力、もしくは越権行為に当たるのではないか」と強く批判しました。
諮問会議や財政審による議論の中で、7対1入院基本料の引き下げなどに踏み込んだ発言が相次いでいるのを受けたもので、同じ診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)が「中医協をないがしろにする可能性がある」とこうした動きに懸念を表明したほか、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)も中川委員に同調しました。
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