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後発薬シェアを20年度末までに80%以上に―厚労省が新目標設定へ、医療費1.3兆円削減

2015.5.26.(火)

 後発医薬品の使用を飛躍的に加速させて医療費の伸びの抑制につなげるため、厚生労働省は26日、数量ベースでの後発薬シェアを2020年度までに80%以上に引き上げる新たな目標を設定する方針を固めました。現在のロードマップに盛り込まれている数量シェア60%以上の達成時期は、17年度末までから16年度末までに1年、前倒しします。財政健全化をにらんだ中長期的な政策の一環という位置付けで、政府はこれによって1.3兆円の医療費削減効果を見込んでいます。

 経済財政諮問会議が26日に開いた会合で塩崎恭久厚労相が提示しました。基礎的財政収支(プライマリーバランス)を20年度までに黒字化させる目標の達成につなげるため、政府は財政健全化計画を6月中をめどに固める方針で、これらの取り組みも盛り込みたい考えです。

 政府が13年に策定した「後発医薬品の使用促進のためのロードマップ」では、後発薬の数量ベースでのシェアを17年度末までに60%以上にすることを目標に掲げています。

 これに対して新たな目標は、▽数量シェア60%以上の達成を16年度末までに前倒し▽後発薬使用促進のロードマップの見直しを視野に、20年度末までに数量シェアを80%以上に引き上げ―の2段階で、後発薬の使用を飛躍的に促進させるもので、政府は20年度時点の医療費を、本来の増加額よりも1.3兆円規模削減できると見込んでいます。

 厚労省は、後発薬メーカーによる生産体制の強化や設備投資の状況を踏まえた上で「適切で意欲的な」目標をあらためて固める考えです。

16年度診療報酬改定で「かかりつけ医」をさらに評価

 後発薬の使用促進のほか医療提供体制関連の改革としては、▽各都道府県が18年度までに実施することになっている医療費適正化計画の改訂の前倒し・加速化▽医療費適正化の指標を「見える化」して地域格差を縮小▽かかりつけ医の普及―などを盛り込みました。

 このうちかかりつけ医の普及につなげるため、14年度に続いて16年度診療報酬改定でのさらなる評価を検討します。

 財政健全化計画の具体化をめぐっては社会保障費の取り扱いが最大の焦点になっていて、19日に開かれた前回の会合で塩崎厚労相は、後発薬シェアの新たな目標を示す考えを示していました。一連の具体策を提示したのはこれを踏まえたものです。
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 ただ、甘利明経済再生担当相は26日の会議終了後の記者会見で、「総論としての提案が多かったが、具体的な各論に落とし込む説明が弱かった」などと指摘しました。

 また、具体策の今後の取りまとめについて甘利担当相は、「今日は民間議員側から宿題が出た。(厚労省側には)それに返答してもらう。事務方を含めて大臣間で詰めていただくか、2ラウンド目を設定するかは返答次第で詰める」と説明しました。

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