DPCの組織的なアップコーディング、是正勧告を白川委員が要望―中医協・基本問題小委
2015.5.28.(木)
DPCの診断群分類を決める際、組織的にアップコーディングをするなど不適切な事例には、国が是正勧告などを行うべき―。27日に開かれた中央社会保険医療協議会の診療報酬基本問題小委員会で、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)はこのように強く求めました。今後、DPC評価分科会で検討される見込みです。
中医協の下部組織である診療報酬調査専門組織「DPC評価分科会」では、(1)精神科病床がないなど機能の低いI群病院について、機能評価係数IIで対応する(2)「適切なコーディングに関する委員会」の開催頻度を増やす―などの方針を固めていて(関連記事:精神病床のないI群病院など、機能評価係数IIで対応へ―DPC評価分科会が方針)、27日の小委に報告され、了承されています。 このうち(2)は、「一部の病院ではミスコーディングが多い」との指摘があったことから、DPC評価分科会でヒアリング調査を行い、その結果を基に固めたものです。
DPC対象病院におけるミスコーディングの割合は平均0.66%で、「ミスコーディングによって収益がプラスになる」のはその半数(49.9%)にとどまります。
しかし、ヒアリング調査の対象となった病院ではミスコーディングの割合が2.7-3.7%と高く、その上「収益がプラスになる」ものが85.5-98.8%と大半を占めています。
この状況について白川委員は、「不適切なアップコーディングを組織的に行っているように見える。こういった病院には、ペナルティーとまではいかないまでも、厳しく是正勧告を行うような仕組みを作る必要がある」と述べ、厚労省に対応を強く求めました。
この要望に対する明確な答えは小委では示されませんでしたが、厚労省保険局医療課の担当者は会合終了後に「DPC評価分科会に白川委員の意見を伝え、検討してもらうことになると思う」と見通しています。
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