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品質保証が最も必要な組織は、生命・健康を扱う医療機関

2015.7.6.(月)

 「生命・健康を扱う医療機関こそが品質を保証しなければならない。QI(Quality Indicator)はケアの質向上のためのドライバーである」

 全米屈指の優良病院であるクィーンズメディカルセンター(ハワイ州ホノルル)のがん委員会責任者で、同センター外科部長のポール・モーリス氏は、医療機関で働くすべての人たちが、「品質保証」に対する意識を高めることの重要性を訴えます。

成績が悪い医師にはペナルティー

 クィーンズメディカルセンターが全米屈指の優良病院であり続けることができている理由の1つに、こうした品質保証に対する徹底的な取り組みがあります。

 例えば、同センターではがんの種類ごとに詳細なQIを蓄積しています。具体的には、データ提出のスピードと内容を評価する「成績表」を医師ごとに作成し、成績が悪いと「クィーンズメディカルセンターの設備使用を認めない」などのペナルティーが適用されます。QIは医療の質向上とコスト削減を同時に推進する仕組みになっており、このことはGHCが提唱する医療の価値(質/コスト)を向上させる重要な取り組みの1つだと言えます(関連記事『患者と家族を全人的に支援、キャンサーナビゲーションとは-クィーンズメディカルセンターでGHCが研修(3)』)。

 品質保証というと、産業界で取り入れられている概念というイメージがつきまといますが、同センターでは同じく産業界で取り入れられていることが多い「FTE(Full-Time Equivalent)」と呼ばれる基準も医療に応用しています。例えば、重症度など患者の状態を考慮したケアの必要量と患者数を掛け合わせて、看護配置の必要数を日ごとに変更します。症状によってどのようなケアが必要で、それにどれだけ時間がかかるのかを詳細に定めているのです(関連記事『医療スタッフの生産性向上は日本でも必須の課題に-全米屈指のクィーンズメディカルセンターでGHCが研修(2)』)。

 品質保証やFTEなどの概念は、産業界だけでなく医療の質向上とコスト削減の両面の改善に寄与するのです。こうした取り組みの最前線を、GHCが7月に開くセミナーでモーリス氏が紹介します。

 このセミナーでは、国内のがん医療のトップランナーとして知られるがん研有明病院の門田守人病院長も講演し、がん対策の歩みを振り返るとともに、政策の将来構想を語ります。ぜひともご参加ください。

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がん研有明・門田院長と米クイーンズ外科部長が講演

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