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重症度、医療・看護必要度は現場に適合、「せん妄などの状態も加味を」の声も―全日病調査

2015.7.7.(火)

 「重症度、医療・看護必要度」の各項目は医療現場で十分に受け入れられているが、せん妄やBPSDなどは「手の掛かる」状態であり、今後の制度設計に当たって考慮すべき―。このような見解を全日本病院協会が7月3日に公表しました。

重症度、医療・看護必要度は医療現場に受け入れられている

 これは全日病の会員病院を対象として、今年1-2月に行われた調査から明らかになったものです。回答病院は664施設で、7対1や10対1を届け出ている所が多い状況です。

 調査では、現行の「重症度、医療・看護必要度」が、一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、ICUのそれぞれに適しているかどうかが調べられました。

 まずモニタリングや処置などのA項目について見てみると、▽創傷の処置▽褥瘡の処置▽呼吸ケア―では、すべての病棟で「適している」との答えが多くなっています。一方、▽放射線治療▽免疫抑制剤の管理―は、「適している」と答えは少ない状況です。

 その他の項目については、一般病棟やICUでは「適している」との答えが多かったものの、回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟では「適している」が少なくなりました。

 次に、患者の状況などのB項目に目を移すと、すべての項目で「適している」との答えが多くなりましたが、地域包括ケア病棟では「適している」との答えがやや少なくなっています。

 この結果から全日病は、「現在の重症度、医療・看護必要度が医療現場に十分に受け入れられている」と結論付けています。

「手の掛かる状態」としてせん妄やBPSDが浮上

 また、医療現場でどのような状態を「手の掛かる」と考えているかを調べたところ、次のような状態が浮上してきました。病棟の種別に若干異なるようです。

▽全体では、「せん妄」「呼吸不全」「吐血」「ショック」「重篤な感染症」を挙げる意見が多い

▽ICUでは、「呼吸不全」「ショック」「緊急手術」を挙げる意見が多い

▽7対1一般病棟では、「せん妄」「呼吸不全」「ショック」を挙げる意見が多い

▽10対1一般病棟では、「呼吸不全」「せん妄」「吐血」を挙げる意見が多い

▽回復期リハ病棟では、「せん妄」「嚥下障害」「要介護4、5」を挙げる意見が多い

▽地域包括ケア病棟では、「せん妄」「呼吸不全」「要介護4、5」を挙げる意見が多い

 また自由記載意見からは、「BPSD」を「手のかかる状態」とする声が多い状況でした。

 この結果を踏まえて全日病は、「重症度、医療・看護必要は医療現場に受け入れられているが、ほかにも手のかかる状態像が数多くある」と指摘。その上で、今後、重症度、医療・看護必要度の制度設計(見直し)を行うに当たって次の点に留意するよう求めています。

(1)例えばDPCデータを活用し、多数の項目の中から「医療的に手のかかる状態」を判断する

(2)せん妄やBPSDに代表される、治療の受け入れ困難な状態を十分に加味する

(3)それぞれの病棟、病床の目的に適合する項目を抽出する

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