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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

次期改定で「7対1」の基準は厳格化、全病棟で重症者割合の基準値を満たしておくべき―GHC改定セミナー(那覇)

2015.9.29.(火)

 7対1入院基本料の施設基準が厳しくなることが予想される2016年度の次期診療報酬改定に向けて、「すべての病棟で重症者割合の基準を満たせる」よう準備しておくべきである―。26日にGHCが開催した診療報酬改定セミナーで、GHCマネジャーの冨吉則行はこのように強調しました。

 GHCでは、全国17都市で次期診療報酬改定に対応するためのセミナーを開催しています。是非、お近くの会場へ足をお運びください。

セミナーの概要とお申込みはこちらから

GHCが9月26日に沖縄県那覇市で開催した、2016年度診療報酬改定セミナー

GHCが9月26日に沖縄県那覇市で開催した、2016年度診療報酬改定セミナー

7対1の重症度、医療・看護必要度を大幅に見直す

 16年度の次期診療報酬改定に向けて、中央社会保険医療協議会の下部組織である「入院医療等の調査・評価分科会」は8月26日に中間とりまとめを行いました(関連記事はこちら)。

 そこでは一般病棟用の重症度、医療・看護必要度を次のように見直しては同かとの提案が盛り込まれています。

(1)A項目に「開胸・開腹手術後2-3日であること」「無菌治療室での治療」などを追加する

(2)重症患者を「A項目2点以上かつB項目3点以上」に加えて、「A項目が一定以上(例えば3点)」(B項目は不問)とする

(3)B項目から「起き上がり」「座位保持」を除くと同時に、新たに「診療・療養上の指示が通じる」「危険行動」を追加し、さらにICU・HCU・一般病棟でB項目を統一する(重症患者の基準点数は、例えば一般病棟3点以上、HCU4点以上、ICU3点以上などとする)

(4)評価対象に「薬剤師の行う薬剤使用に関する指導」や「歯科衛生士の行う口腔内清潔に関する評価」などを加える

(5)DPCデータ提出を10対1にも義務付け、そこから看護必要度に関するデータを抽出できないか検討する

 (1)の見直し項目は、現在の重症度、医療・看護必要度基準では「開胸・開腹手術直後の患者」など、明らかに重症と考えられる患者が十分に評価されていないことから提案されているものです。

 また(2)は、急性期入院医療においても早期のリハビリ提供によるADL改善が求められる一方で、「医師が行動制限を行うとB項目の評価が高くなる」という矛盾を解消する狙いがあります。

 ところで、こうした見直しは、言わば「重症者とカウントされる対象患者の間口を広げる」、つまり現在の7対1の施設基準の1つである「重症患者の割合が常に15%以上である」という要件を満たしやすることにつながります。

 しかし、社会保障費を適正化し、国の財政を健全化させようとする財務省や首相官邸は「7対1病床を削減する」意向を強くもっていることから、次期改定においては「重症患者割合」の基準値である15%を引き上げる可能性が極めて高いと考えられます。

 GHCのメディ・ウォッチ編集部は、こうした状況を詳細に説明するとともに、「7対1の施設基準などが厳しくなり、また地域医療構想や病床機能報告制度をはじめとする医療提供体制の機能分化が進められる中で、次期改定に向けて、ほとんどの病院が『大きな決断』を迫られることになる」ことを強調。自院の機能や意向だけではなく、地域における医療ニーズや他院の機能・動向を踏まえて、「7対1を維持するのか」「地域包括ケア病棟など他の機能への転換を図るのか」早急に決断する必要があると訴えました。

重症度、医療・看護必要度のデータ精度を高め、次期改定への準備を

 GHCマネジャーの冨吉は、コンサルタントとして10年以上の経験を持ち、全国の病院経営者・幹部から厚い信頼を得ています。

 冨吉は、次期改定や地域における医療提供体制の再編に向けて、まず次の3点を行うことが重要であると強調します。

(1)改めて自病院のことを知る(あらゆるマーケティング手法によって現状を知る)

(2)自院と「地域で求められている姿」を見比べてみる(他院と比較し、優劣を把握する)

(3)医療の質と経営の質の両面から、改善できる部分を改善する(在院日数を詳細に調べる、『ついで』の診療は今、本当に必要なのか?)

 また、重症度、医療・看護必要度の見直しに関しては、「項目の見直しなどに対応する以前に、『データの精度を高める』ことが重要」と指摘しました。

 GHCが、病院における「重症度、医療・看護必要度のデータ」と「DPCデータ」「請求データ」を比較したところ、両者には差異があることが分かりました。そこには「請求しているが、重症度、医療・看護必要度ではチェックしていない」ケースと、「重症度、医療・看護必要度ではチェックされているが、DPCや請求データにはあがっていない」ケースの両方があり、いずれも早急な改善が必要です。

 冨吉は、▽チェック時点の評価ではなく、0時からチェック時点までを振り返る▽前日の評価をそのままコピーしない▽前の勤務者の評価を参考にする(突然悪くなることはあっても、突然かなり良くなることはあまりない)▽実施したすべての項目は必ず入力する(ちょっとしかやっていなくても、必ず入力する)▽医師に積極的に声掛けを行う―などの取り組みを地道に徹底することが重要と指摘しています。

 また冨吉は、今後、病院が「急性期を維持する」のか、「ケアミックスを一部導入する」のかを判断する目安の1つとして、「すべての病棟で重症者割合18%以上」を維持できるか否かを掲げました。

 現在の診療報酬点数表では、病院単位で入院基本料を届け出ることになっており、7対1を届け出るためには、「病院単位」で重症者が常に15%以上入院していることが必要です。しかし、今後「病棟単位の入院基本料」が設定される可能性があり、さらに重症者割合の基準値が引き上げられると予想されるため、今から準備しておくことが重要なのです。

 さらに今後、少子高齢化が進み、人口構造や疾病構造が変化する中では、急性期病床の必要数が減少していきます。このため冨吉は、「病院の統合」も視野に入れた経営戦略を立てる必要があると訴えました。

 セミナーでは、メディ・ウォッチではお伝えしきれない情報も満載です。GHCでは来年(16年)の2月にかけて、全国各地で診療報酬改定セミナーを開催いたします。是非、お近くの会場まで足をお運びください。

セミナーの概要とお申込みはこちらから

今回の改定セミナーを担当したコンサルタント 冨吉 則行(とみよし・のりゆき)

yuasa04 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。
早稲田大学社会科学部卒業。日系製薬会社を経て、入社。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。金沢赤十字病院(事例紹介はこちら)、愛媛県立中央病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」の営業統括も務める(関連記事「病院が変化の先頭に立つために今できるたった3つのこと」)。

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