有床診療所、ついに8000施設を切る―医療施設動態調査(15年8月)
2015.10.29.(木)
日本全国の有床診療所が2015年8月末に、ついに8000施設を割り込んだ―。こうした状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。
有床診療所は、ピーク時の1990年には2万3689施設だったので、25年で約1万5700施設・66.3%が無床診療所などへの転換や閉鎖の道を選んだ格好です。
医療施設動態調査では、全国の病院・診療所がどのような状況にあるのかが毎月示されています。
15年8月の医療施設総数は全国で17万8146施設あり、前月よりも87施設増加しました。これは「無床の一般診療所」が増加しているためで、無床診は前月に比べて82施設増加しています。
病院は8479施設で、前月から2施設減少しました。種類別に見ると、一般病院は7415施設で2施設減少、精神科病院は1064施設で前月から増減はありませんでした。
一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3843施設(前月から4施設減少)、地域医療支援病院は499施設(前月から1施設増)となっています。
一方、有床診療所に目を移すと7990施設で、前月から17施設減少しました。ついに8000施設を割り込んでおり、地域医療の重要な担い手の減少に歯止めはかかっていません。厚労省は、2016年度の次期診療報酬改定に向けて有床診の機能をどのように評価すべきかを検討しており(関連記事はこちら)、具体的な内容の公表が待たれます。
病床数については、15年8月の全数は167万3866床で、前月から816床減少しました。
このうち病院の病床数は156万5857床で、前月に比べて510床減少しています。急性期病院のみならず、慢性期病院でも早期の在宅復帰、平均在院日数の短縮が進められており、病床稼働率を維持するために今後も病床数の減少傾向が続くと思われます。
一般病床については前月から482床減少(89万3855床)、療養病床は同じく134床減少しました(32万8193床)。病院と有床診を合わせた、療養病床数は緩やかな減少傾向にあります。
また有床診療所の病床数は前月から305床減少し、10万7929床となっています。近い将来、10万床を切ることは間違いないでしょう。