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GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

有床診の減少止まらず、2016年度改定での対応に注目集まる―医療施設動態調査(15年9月)

2015.11.25.(水)

 有床診療所の減少が止まりません。2015年8月末に8000施設を割り込み、9月には更に29施設減少し、7961施設になったことが、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。

 有床診療所は、地域包括ケアシステムにおいて重要な位置を占めるとされており、施設の減少が続けばシステム構築に一定の影響が出ることも考えられます。

有床診療所、前月から29減少して7961施設に

 医療施設動態調査では、全国の病院・診療所がどのような状況にあるのかが毎月示されています。

 15年9月の医療施設総数は全国で17万8212施設あり、前月よりも66施設増加しました。これは「無床の一般診療所」が増加しているためで、無床診は前月に比べて74施設増加しています。有床診の無床化や、病院勤務医の開業などが続いていると考えられます。

 病院は8480施設で、前月から1施設増加しました。種類別に見ると、一般病院は7416施設で1施設増加、精神科病院は1064施設で前月から増減はありません。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3844施設(前月から1施設増加)、地域医療支援病院は499施設(前月から増減なし)となっています。

 一方、有床診療所に目を移すと7961施設で、前月から29施設減少しました。前月末で、ついに8000施設を割り込み、その後も減少に歯止めはかかっていません。

 厚労省も、有床診を「地域包括ケアシステムの中で重要な位置を占める」と考えており、2014年度の前回診療報酬改定では、有床診療所入院基本料の引き上げや、医師配置加算の要件緩和、介護補助配置加算の新設、栄養管理実施加算の復活などを行いましたが、その効果は十分とは言えないようです。2016年度の次期診療報酬改定においても、有床診の機能を評価するための検討が進められています(関連記事はこちら)が、どこまでの効果が出るのかは未知数です。

有床診療所の減少に歯止めがかかっていない、一方で病院の一般・療養病床数は前月に比べて若干増加している

有床診療所の減少に歯止めがかかっていない、一方で病院の一般・療養病床数は前月に比べて若干増加している

病院の一般・療養病床数は若干の増加

 病床数については、15年8月の全数は167万3669床で、前月から197床減少しました。

 このうち病院の病床数は156万5968床で、前月に比べて111床増加しました。一般病床については前月から115床増加(89万3970床)、療養病床は同じく213床増加(32万8406床)しました。

 ただし、医療費の適正化や、患者のQOL向上、さらには医療安全確保に向けて、平均在院日数の短縮が進められおり、中長期的な傾向として「病床数の減少傾向」が続いています。こうした中で、15年9月の一般・療養病床数の増加がどういう意味を持つのか、今後の状況を注視する必要があるでしょう。

 また有床診療所の病床数は前月から303床減少し、10万7626床となっています。近く、10万床を切ることは確実です。

病院の数は減少傾向にあり、2015年(平成27年)に入ってから拍車がかかっていたが、ストップしたように見える

病院の数は減少傾向にあり、2015年(平成27年)に入ってから拍車がかかっていたが、ストップしたように見える

療養病床数(病院+有床診)は緩やかな減少傾向にあり、15年3月から減少傾向が強くなっているが、こちらもブレーキがかかったように見える

療養病床数(病院+有床診)は緩やかな減少傾向にあり、15年3月から減少傾向が強くなっているが、こちらもブレーキがかかったように見える

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