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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

諮問会議の民間議員「診療報酬マイナス不可欠」-7対1の報酬引き下げも提案

2015.11.25.(水)

 政府の経済財政諮問会議は24日、経済・財政一体改革のうち社会保障関連の改革の具体化をめぐり議論しました。サントリーホールディングスの新浪剛史社長ら民間議員はその中で、改革の一環として2016年度の診療報酬改定で7対1入院基本料の算定要件を厳格化し、報酬も引き下げるよう提案しました。7対1の算定要件は14年度の診療報酬改定でも厳格化されましたが、その後も病床数の減少が緩やかなためで、民間議員は「依然、2025年のあるべき高度急性期病床(13万床)の3倍の水準にある」と指摘しています。

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 また、甘利明・経済再生担当相は会合終了後の会見で、16年度の診療報酬改定について、「引き下げが不可欠」という意見が民間議員から出たことを明らかにしました。これに対して、この日の会合に出席した塩崎恭久厚生労働相は、マイナス改定にするかどうかは、物価・賃金の動向や医療機関の経営状況を踏まえて検討すべきだとの認識を示したということです。

 民間議員らによる提言は、16年度診療報酬改定を通じたインセンティブ改革のほか、医療費や国民負担の地域格差の「見える化」などが柱です。

 診療報酬改定関連では、慢性期の患者への対応も検討課題に挙げ、療養病床を医療の必要度が高い患者の受け入れに限定させ、医療の必要度が低い患者を受け入れる療養病床については「医療従事者の配置基準を緩和し、診療報酬を引き下げるべき」と指摘しました。また、医療の一層の効率化を促すためDPCを適用する病院や治療の範囲を拡大する必要性も強調しています。

 一方、地域格差の「見える化」の具体策としては、ナショナルデータベースを利活用するためのインフラを16年度中に整備するよう要請したほか、介護費用の地域差の是正策を16年度中にまとめ、18年度から是正に実施するよう求めました。

 安倍晋三首相はこの日、骨太方針2015に盛り込まれたすべての改革メニューについて、方向性や実施時期を明確にするよう関係閣僚に指示しました。政府は社会保障などの改革の工程表を年内に策定することにしていて、中身の具体化を引き続き進めます。

■塩崎厚労相、「医療区分」の見直しに言及

 塩崎厚労相はこの日、16年度の診療報酬改定で療養病棟の入院患者の評価基準となる「医療区分」の中身を見直す考えを示しました。医療区分3に含まれている「酸素療法」や、医療区分2の「頻回の血糖検査」の該当患者に「軽度者も含まれる」と指摘した上で、適切に評価する必要があるとしています。

 このほか、かかりつけ医機能を強化するため、14年度の診療報酬改定で新設された「地域包括診療料」や「地域包括診療加算」の対象患者を拡大する考えも示しました。認知症への対応を重視するのが狙いです。

 塩崎厚労相は10月16日の会合で、患者の状態に応じて適切な医療機関を受診できるようにするなどかかりつけ医による「ゲートオープナー機能」の確立を16年度の診療報酬改定に向けた検討課題に挙げていて、今回はここからさらに踏み込みました。

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