2016年度診療報酬改定の基本方針が決定、医療部会でも了承―社保審・医療部会
2015.12.4.(金)
2016年度の次期診療報酬改定の基本方針案について、社会保障審議会の医療保険部会に続き、医療部会でも了承されました。近々に正式決定となります。
診療報酬改定について、現在は(1)社会保障審議会の医療保険部会と医療部会で基本方針を策定する(2)内閣で改定率を決定する(3)中央社会保険医療協議会で具体的な内容を詰める―という役割分担が行われています。
医療保険部会は、2日に基本方針案を既に了承しています(関連記事はこちら)。
さらに4日開かれた医療部会でも、基本方針案が概ね了承されました。内容とは関係の薄い部分の修正要求が出ています、医療保険部会の遠藤久夫部会長(学習院大学経済学部教授)と、医療部会の永井良三部会長(自治医科大学学長)とで最終調整を行い、近々に正式決定されます。
内容については既にお伝えしているとおり、「地域包括ケアシステムの構築」と「医療機能の分化・強化、連携」を重点課題に据えた上で、次の4つの基本的視点とさらに具体的な方向性を例示しています。
(1)地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携(重点課題)
(2)患者にとって安心・安全で納得できる効率的で質が高い医療の実現
(3)重点的な対応が求められる医療分野を充実する視点
(4)効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める
ところで、(2)の視点の具体例として、新たに「患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるための取り組みを推進」という項目が追加されました。
11月19日の前回会合で、「この項目は重要であり、さまざまな視点に追加すべきである」(もともとは(4)の効率化・適正化の視点にのみ記載されていた)との意見が多く出たことを受けての追加です。
しかし4日の会合では、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)らから「重要な項目だが、さまざまな個所に記載すると、重要さが薄れる」と削除要請がありました。永井部会長も要請を受け入れており、医療保険部会の遠藤部会長と調整が行われます。
もっとも、この項目は(1)と(4)の視点にも記載されており、基本方針の内容に直接影響を及ぼす修正とはなりません。
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