2015年の1年間で日本の人口は29万4000人の自然減、人口減のペース加速―厚労省
2016.1.4.(月)
2015年にわが国で生まれた日本人は100万8000人、死亡した日本人は130万2000人で、1年間で29万4000人、人口が自然減少した―。こうした推計結果を、厚生労働省が1日に発表しました。
前年(2014年)の人口自然減少は26万9465人(確定数)で、人口の自然減に拍車がかかっていることが分かります。
厚労省は毎年1月1日に、前年の「人口動態統計の年間推計」結果を発表しています。
2015年の人口動態を見てみると、出生数は100万8000人、人口1000人当たりの出生率は8.0と推計されました。前年と比べると、出生数は4000人増加、出生率は変わっていません。
一方、死亡数は130万2000人で、人口1000人当たりの死亡率は10.4と推計されました。前年に比べて、死亡数は2万9000人、死亡率は0.3ポイント増加しています。
出生数から死亡数を差し引いた自然増減は、マイナス29万4000人で、前年(マイナス26万9465人、確定値)に比べて減少ペースに拍車がかかっています。人口1000人当たりで見ると、2014年には2.1人減少、15年には2.3人減少している計算になります。
死因別の死亡数を見ると、▽悪性新生物37万人▽心疾患19万9000人▽肺炎12万3000人▽脳血管疾患11万3000人―などと推計されています。
このほか、死産数は2万3000胎(出産1000胎当たりの死産率は22.3)、婚姻件数は63万5000組(人口1000人当たりの婚姻率は5.1)、離婚件数は22万5000組(人口1000人当たりの離婚率は1.8)となっていることも分かりました。
年次は異なるものの、諸外国と出生率・死亡率などを比べると、日本(出生率8.0、死亡率10.4)はドイツ(出生率8.5、死亡率11.1)やイタリア(出生率8.5、死亡率10.0)と近い状況にあることが伺えます。
人口の減少、特に若年者人口の減少は社会保障のベースを脆くします。安倍晋三首相はアベノミクスの新たな第三の矢の1つに「少子化対策」を掲げており、着実な実行が待たれます。
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