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皮膚T細胞リンパ腫治療薬のベキサロテン製剤、脂質異常や膵炎などの副作用に留意―厚労省

2016.1.27.(水)

 厚生労働省は22日、皮膚T細胞性リンパ腫の治療薬として同日に薬事承認した「ベキサロテン製剤」(販売名:タルグレチンカプセル75mg)に、脂質異常症、膵炎、内分泌障害などの重篤な副作用が現れるとし、使用する際には特段の留意をするよう求める通知を発出しました。

9割以上の症例で甲状腺機能低下が見られた

 本剤の使用で生じる可能性のある重篤な副作用には、(1)脂質異常症(2)膵炎(3)内分泌障害(下垂体性甲状腺機能低下症、低血糖)▽白血球減少症・好中球減少症、貧血▽肝不全、肝機能障害▽感染症▽間質性肺疾患▽血栓塞栓症▽横紋筋融解症―などがあります。治験段階では、甲状腺機能低下症が93.8%、高コレステロール血症(脂質異常)が81.3%、高トリグリセリド血症が75.0%の症例に発生しており、特に注意が必要と言えそうです。

 このため本剤を使用する場合には、患者の状態を十分に観察し、異常が見られた場合には投薬の中止や減薬を行うとともに、適切な処置を行う必要があります。

 また動物実験によって、本剤には「催奇形性」があることが分かっています。したがって、妊婦や妊娠している可能性のある女性、妊娠する可能性のある女性への投与は原則禁止となっています。

 さらに本剤の使用は、▽緊急時に十分対応できる医療施設で用いる▽がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師の下で用いる▽本剤の投与が適切と判断される―場合にのみ認められます。このため、治療に当たっては、患者・家族の有効性と危険性を十分に説明し、同意を得ることが必要です。

  

 なお、本剤は国内の治験症例数が極めて少ないため、一定以上の症例データが蓄積されるまで、全症例を対象に使用成績調査を行うことが製薬メーカーに義務付けられています。

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