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2016年6月に報告された医療事故は34件、制度開始からの累計では285件―日本医療安全調査機構

2016.7.11.(月)

 今年(2016年)6月に医療事故調査・支援センター(以下、センター)に報告された医療事故は34件で、制度発足(2015年10月)から累計で285件の医療事故が報告された。また、院内調査が済んだものは累計で92件、センターへの調査依頼は同じく4件となった―。

 こうした状況を、日本で唯一のセンターとして指定されている日本医療安全調査機構が8日に公表しました(関連記事はこちら)(機構のサイトはこちら)。

285件の医療事故のうち32%で院内調査が完了、センターへの調査依頼は4件

 医療事故調査制度は、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」のうち「管理者が予期しなかったもの」すべてをセンターに報告し、当該医療機関やセンターで再発防止策を探る仕組みです(関連記事はこちら)。

 昨年(2015年)10月からスタートしており、日本医療安全調査機構は、医療事故の報告状況などを毎月公表しています。

 それによると、今年(2016年)6月には、医療事故が34件報告され、制度発足からの累計報告数は285件となりました。

 今年6月の報告はすべて病院からで、▽消化器科6件▽内科5件▽外科4件▽循環器科4件―などという状況です。

2016年6月に34件の医療事故が報告され、累計で285件となった

2016年6月に34件の医療事故が報告され、累計で285件となった

 

 また医療機関からセンターへの相談は、今年6月には131件寄せられ、制度発足からの累計では1381件となっています。相談内容は、「院内調査」に関するものが50件でもっとも多く、次いで「医療事故に該当するか否かの判断」と「医療事故報告に関する手続き」がそれぞれ27件となっています(複数回答)。

医療事故調査・支援センターへの相談は2016年6月に131件寄せられ、うち50件は院内調査に関するものであった

医療事故調査・支援センターへの相談は2016年6月に131件寄せられ、うち50件は院内調査に関するものであった

 報告対象となる医療事故かどうかは、前述のように「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産」のうち「管理者が予期しなかったもの」か否かで判断しますが、ケースによっては判断が難しいことがあります。

 そのため医師会や病院団体、学会などが調査のみならず判断においても「支援」を行うことになっていますが、この支援内容にはバラつきがあることが課題となっています。そこで厚生労働省は6月24日に関係法令(医療法施行規則など)の改正を行い、支援団体(医師会や病院団体など)とセンターが意見交換を行う場(支援団体連絡協議会)を設置して、バラつきの解消を行うこととされています(関連記事はこちらこちら)。

 

 医療事故が発生した医療機関では、まず院内での調査を実施します。今年6月に新たに院内調査が済んだのは14件で、制度発足からの累計で92件となりました。報告された285件の32%で院内調査が済んでいる状況です。

2016年6月に新たに院内調査が14件完了し、92件となった

2016年6月に新たに院内調査が14件完了し、92件となった

 また、医療機関あるいは遺族からセンターへの調査依頼は今年6月には2件(医療機関から1件、遺族から1件)あり、制度発足からの累計で4件となりました。医療機関からの調査依頼は初めてのことです。

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