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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

病院の経営改革ファーストステップ、たった4つの要点―入門講座2016~17(1)

2016.12.16.(金)

 年を追うごとに厳しくなる病院の経営環境。経営・業務の改善・改革に向けて、まず何から取り組めばいいのか――。

 このような悩みを抱える病院関係者に向けて、グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は15日、次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」の「入門講座2016~17」を開催しました。

 「病院ダッシュボード」を用いて、まず取り組むべき4つの要点をそれぞれ解説。実際の改善事例などを紹介しながら、具体的な改善に向けた手順を分かりやすく解説しました。

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まず把握したい9つの最重要指標

 病院ダッシュボードは、自病院の重要な経営指標となるデータを、他病院のデータとベンチマーク分析した上で、誰でも瞬時に、視覚的に分かりやすく改善のポイントを把握することができます。抽出したデータは、改善すべき課題を直感的に把握できるようにデザインされているため、そのまま資料として活用することができ、院内全体の経営改革の突破口を開くきっかけになります。

 GHCは、こうした病院ダッシュボードを新規導入した病院の担当者などに向けて、「基本の『き』」を伝授することを目的に、全3回の「入門講座」を定期的に開催しています。今回はその第1回目という位置付けになります。

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 第1回目のテーマは、「病院ダッシュボードの基本操作」。改善ポイントを瞬時に探るために病院ダッシュボードをどのように操作すればよいのかを、実際にPCを操作しながら学びました。

 講師のGHCコンサルタント兼カスタマーサポート担当の薄根詩葉利は、より効果的に病院ダッシュボードを活用するサイクルとして、(1)課題をつかむ(2)課題を明らかにする(3)改善策を練る(4)アクションする――の4つのポイントを軸に解説しました。

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 例えば、(1)の「課題をつかむ」ためには、院内全体の状況を把握することが必要です。それを実現するには、病院ダッシュボードの「俯瞰マップ」活用が最適で、自院の全体像が瞬時に把握できます。病院ダッシュボードでは、「平均在院日数」「DPCの期間II超割合」「対出来高増減収率」「医療資源」「1日単価」「1日手技単価」「手術症例割合」「手術単価」「緊急入院率」の9つを最重要指標に位置づけ、自院と全国平均とをレーダーチャートを用いて比較することができます。ここからまず、「自院の強み」を把握するとともに、「課題」や「改善点」を探るというわけです。

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次回は分析資料の作成方法

 病院ダッシュボードは、「青」「黄」「赤」の3色などで病院の状況を可視化しています。青で表示される項目は「上位25%」で「良」、赤は「下位25%」の「改善の余地あり」という具合です。9つの最重要指標を把握した上で、黄や赤の項目の中から改善ポイントを絞りこみ、(2)(3)(4)のステップを踏んでいくのが、効率的な改善活動につながります。

 ダミーデータを用いて、具体的なケース分析も紹介。心臓カテーテル検査を例に、「平均在院日数」「抗生物質製剤の使用」などについて、他院と比べてどのような状況にあるのかを調べる手法を詳しく紹介しました。

 そのほか、厚生労働省が毎年公開している退院患者調査データを基にした「マーケット分析」を解説。地域の状況を踏まえた「SWOT分析」(強み=Strengths、弱み=Weaknesses、機会=Opportunities、脅威=Threatsの4つの観点から分析するビジネスフレームワーク)の手順などについても紹介し、自院の集患や地域連携の戦略立案を進めるイメージを示しました。

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 次回の1月に開催する第2回では、以上の基本操作方法を踏まえて、分析資料を参加者が自ら作成します。さらに2月の第3回では、作成した資料をもとにプレゼンテーションの演習を行い、GHCコンサルタントが具体的なノウハウを伝授する予定です。

【連載◆病院ダッシュボード入門講座2016~17】
(1)病院の経営改革ファーストステップ、たった4つの要点
(2)人を動かす資料に絶対必要なたった一つのこと
(3)伝わるプレゼンテーション(2月更新予定)

解説を担当したコンサルタント 薄根 詩葉利(うすね・しより)

morimoto 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント兼カスタマーサポート担当。
国際医療福祉大学医療福祉学部卒業。高度急性期病院の診療録管理室勤務を経て、GHCに入社。診療情報管理士の資格を持ち、DPC分析全般を得意とする。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のカスタマーサポートも務める(関連記事『データ軸にパス見直し、および入院医療の外来化を推進、II群病院の維持に貢献―病院ダッシュボードユーザー会』)。
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