再生医療と最新医療機器使った技術、申請から3か月で先進医療へ-中医協総会で運用方法を了承
2014.12.25.(木)
中央社会保険医療協議会は24日の総会で、再生医療と医療機器に関する「最先端医療迅速評価制度」(先進医療ハイウェイ構想)の具体的な運用方法を了承しました。
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「先進医療ハイウェイ構想」を年度内に拡大へ―再生医療と医療機器に
先進医療ハイウェイ構想は、2013年6月に決定された「日本再興戦略」で打ち出したもので、保険診療と保険外診療の併用(保険外併用療養費制度)を拡大するために、外部評価機関を活用して、通常の先進医療制度よりも迅速に最新の医療技術に関する評価を行う仕組みです。
既に「抗がん剤」を対象に、外部評価機関(国立がん研究センター)を活用したスキームの運用が始まっています。中医協などでは、この制度を再生医療と、最新の医療機器を使った技術にも拡大する方向で議論が進めてきました。
具体的には、まず、先進医療会議が「対象技術」と「実施医療機関群」をあらかじめ決めておきます。
再生医療については「特定認定再生医療等委員会」の意見を聴いた上で、厚生労働相に再生医療等提供計画が提出された第1種再生医療などが、医療機器については厚労省の「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」で、早期導入が妥当とされた品目を使った技術がこの制度の対象です。
実施医療機関群は(1)臨床研究中核病院と早期・探索的臨床試験拠点(2)これまでに第1種再生医療等を提供したことのある病院(再生医療)と特定機能病院(医療機器)-の2つに分けられます。
(1)の「臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点」では、すべての技術を申請することが可能です(最新技術を実施できるか否かは個別に審査されます)。一方、(2)の「これまでに第1種再生医療等を提供したことのある病院(再生医療)」「特定機能病院(医療機器)」では、先進医療会議で実施の可否を技術ごとに検討することになります。
また、技術的な妥当性を評価するために、先進医療会議に「再生医療分科会」(仮称)と「医療機器分科会」(仮称)が新たに設置されます。これらの分科会には、再生医療や医療機器に関する有識者のほか、生物統計家や倫理専門の担当者らが加わり、迅速な審査が行われます。
再生医療・医療機器を用いた先進医療の実施が医療機関から申請されると、分科会で技術的妥当性を審査します。そこで「先進医療として実施することが適正」と判断された場合先進医療会議で社会的妥当性をあらためて確認し、先進医療として保険診療との併用が認められます。厚労省は、申請から先進医療の実施までの期間を、通常の6か月程度から先進医療ハイウェイ構想では3か月程度にまで短縮したい考えです。