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高度急性期の境界に「ハイケアユニット退室の段階」を提案-地域医療構想GL検討会で厚労省

2014.12.25.(木)

 医療提供体制の再編に向けて国が定める「地域医療構想の策定ガイドライン」の具体化を話し合う検討会が25日開かれ、厚生労働省は、病床の機能を分類する際の考え方を提案しました。高度急性期と急性期機能の境界の基本的な考え方として、重症患者を受け入れるハイケアユニット(HCU)を退室する段階での医療資源投入量を目安にするなどの内容です。

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 また、これらの境界となる患者の状態像としては、人工呼吸器は離脱したものの、抗菌剤などによる標準的な治療や画像診断、血液検査などが引き続き必要な状態を例に挙げています。同省では、これらに該当する患者の数をベースにして、各機能にどれだけのニーズがあるかを明らかにするとしています。同省医政局の佐々木昌弘・医師確保等地域医療対策室長は、「次回には、各都道府県が行う推計の仕方の案をお示しできるようにしたい」と説明しました。

 ただ、厚労省案には、「ハイケアユニットを退室するというのは一つの例なのに、具体的過ぎる」(中川俊男構成員・日本医師会副会長)、「ハイケアユニットがない地域がたくさんある」(邉見公雄構成員・全国自治体病院協議会会長)といった批判も出されました。

 佐々木室長は会合終了後、記者団に対して、「各構成員の問題意識を把握できた」と話して、次回にはこの日の意見も踏まえて、より踏み込んだ内容を提案する考えを示しました。

2014.12.25医療・介護行政をウォッチ 地域医療構想 厚労省案は、高度急性期と急性期のほか、▽急性期と回復期▽回復期と慢性期・在宅医療等―ごとに、これらを区分けする際の基本的な考え方と患者像のイメージを整理したものです。このうち急性期と回復期については、急性期の治療が終了して、薬剤など医療資源の投入が落ち着いた段階の投入量を目安にするとしています。その上で、こうした段階の患者像のイメージとしては、抗菌剤による治療を終えたものの、輸液管理や術後のドレーン管理を継続している状態を挙げました==。

 急性期医療のニーズを疾患ごとに把握するため、同省が255の疾患やけがをピックアップして実施した分析では、多くの疾患で入院初日から2-3日までは医療資源の投入が特に多いものの、その後は一定の水準で安定する傾向が明らかになっています。同省では、資源の投入が特に多い段階の患者数を高度急性期機能へのニーズと位置付ける方針を示していて、今回の提案は、ハイケアユニットを退室するタイミングでの投入量を急性期との線引きの目安にするというものです。

 一連の分析を担当した松田晋哉構成員(産業医科大学医学部教授)は25日の会合で、この段階での医療資源の投入量を診療報酬点数に換算すると、「ざっくりとしたイメージだが、大体3000点くらい」との見方を示しました。同じように、急性期と回復期の境界の目安については「1000点からその半分の間ぐらい」としました。

慢性期は受療率の地域格差を解消、厚労省案


 厚労省はこの日、慢性期機能と在宅医療へのニーズを地域の実情を踏まえて推計する際の考え方も提案しました。在宅医療や介護施設の整備を進めて医療ニーズの低い入院患者を移行させる前提で、療養病床の入院受療率の低下を促す内容です。

 入院受療率は、入院患者の発生率と平均在院日数を基に割り出します。厚労省の調べでは、介護保険適用型も含む療養病棟の直近での入院受療率(性・年齢階級調整後)は、高知の614が最高で、最低の長野(122)とは5倍以上の開きがあります。厚労省案は、構想区域ごとの入院受療率の地域格差を25年までに解消させるのが基本的なスタンスで、各都道府県は構想区域ごとに格差解消の目標を設定します。

 具体的な目標の設定方法としては、▽すべての構想区域の受療率を、県単位での全国最小レベル(長野)にまで低下させる▽各都道府県の構想区域のうち、入院受療率が最も高い区域では県単位での全国中央値(鳥取の213)の水準まで引き下げ、ほかの区域では長野との格差を同じ比率だけ解消させる―の2通りを提案しました。